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12月04日-02号

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  1. 神奈川県議会 2008-12-04
    12月04日-02号


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    平成20年 12月 定例会 △《本会議録-平成20年12定-20081204-026508-諸事項-出席議員等・議事日程-》                 12  月   神 奈 川 県 議 会         会 議 録 第 2 号                定 例 会 〇平成20年12月4日 午後1時5分開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共102名       出 席 議 員                       菅   原   直   敏                       松   尾       崇                       行   田   ともひと                       亀   井   たかつぐ                       横   山   幸   一                       榎   並   正   剛                       加   藤   元   弥                       内   田   み ほ こ                       作   山   友   祐                       松   本       清                       寺   崎   雄   介                       長   友   よしひろ                       井   手   拓   也                       日   下   景   子                       村   田   邦   子                       とくやす    ひさよし                       馬   場   学   郎                       佐 々 木   正   行                       髙   橋       稔                       長   田   進   治                       国   松       誠                       杉   本       透                       髙   山   松 太 郎                       石   井   もとみち                       近   藤   大   輔                       鈴   木   裕   二                       塩   坂   源 一 郎                       伊   藤   久 美 子                       山   口   裕   子                       曽 我 部   久 美 子                       福   田   紀   彦                       山   本   裕   子                       飯   田       誠                       嘉   山   照   正                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       し き だ   博   昭                       小   島   健   一                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       滝   田   孝   徳                       もとむら    賢 太 郎                       齋   藤   健   夫                       北   井   宏   昭                       大   井   康   裕                       安   藤       慶                       松   崎       淳                       長 谷 川   く み 子                       鈴   木   ひ で し                       赤   井   かずのり                       木   村   謙   蔵                       桐   生   秀   昭                       佐   藤       光                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       小   川   久 仁 子                       大   村   博   信                       竹   内   栄   一                       岩   本   一   夫                       関   口   正   俊                       吉   田   大   成                       伊   藤   と お る                       木   内   ひ ろ し                       笠   間   茂   治                       川   上   賢   治                       藤   井   深   介                       向   笠   茂   幸                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       磯   貝   捷   彦                       舘   盛   勝   弘                       田   島   信   二                       国   吉   一   夫                       新   井   敏 二 郎                       松   田   良   昭                       榎   本   与   助                       茅   野       誠                       石   川   輝   久                       平   本   さ と し                       高   谷       清                       田   中       肇                       河   野   幸   司                       斉   藤   ゆ う き                       此   村   善   人                       服   部   圭   介                       益   田   は や お                       牧   島       功                       堀   江   則   之                       中   村   省   司                       新   堀   典   彦                       三   好   吉   清                       山   本   俊   昭                       鈴   木   恒   夫                       村   上   健   司                       久 保 寺   邦   夫                       はかりや    珠   江                       手   塚   悌 次 郎                       安   斉   義   昭                       東   野   陽   子                       武   田   郁 三 郎       欠 席 議 員                       相   原   高   広                       山   田   吉 三 郎       説明のための出席者         知         事   松   沢   成   文         副    知    事   羽   田   愼   司              同        小   野   義   博         出    納    長   陳   岡   啓   子         理事            古 尾 谷   光   男         政策部長          黒   川   雅   夫         総務部長          古   谷   幸   治         安全防災局長        木   川   康   雄         県民部長          山   口   英   樹         環境農政部長        佐   藤   光   徳         保健福祉部長        吉   川   伸   治         商工労働部長        小   林       賢         県土整備部長        斉   藤   猛   夫         会計局長          小 野 間   重   雄         広域行政担当部長      笹   本   秀   行         労務担当部長        安   室   和   行         IT担当部長        三   科   清   高         次世代育成担当部長     斎   藤   百 合 子         環境共生都市整備         担当部長          池   守   典   行         政策部副部長        武   山       哲         総務部副部長        北   村       明         安全防災局副局長      冨   田   輝   司         県民部副部長        杉   山   喜   男         環境農政部副部長      水   田   秀   子         保健福祉部副部長      稲   垣   良   一         商工労働部副部長      菅   沼   敏   文         県土整備部副部長      榎   本   武   美         教育委員会委員       宮   崎       緑         同  教育長        山   本   正   人         同  教育局長       笠   原   達   夫         同  学校教育担当部長   下 山 田   伸 一 郎         公安委員会委員長      小   椋       進         警察本部長         田   端   智   明         警察本部総務部長      佐   藤   榮   治         人事委員会委員       友   井   国   勝         同  事務局長       三   角   秀   行         監査事務局長        本   田   伸   夫         労働委員会事務局長     北   村   保   夫         選挙管理委員会書記長    藤   井   邦   彦         収用委員会事務局長     山   本   茂   樹         公営企業管理者企業庁長   松   藤   静   明         企業庁経営局長       田   辺   政   和         同  水道電気局長     岡   本   恒   次         病院事業管理者         病院事業庁長        堺       秀   人         病院事業庁病院局長     藤   井   良   一   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          嶋   田   幸   雄         議会局副局長        大   熊   隆   二         同  総務課長       遠   藤       眞         同  議事課長       大   島   守   夫         同  政策調査課長     竹   内   徳   慶   ───────────────────────────────────────              神奈川県議会12月定例会議事日程第2号                            平成20年12月4日午後1時開議 第1 定県第 104号議案 神奈川県自治基本条例   定県第 105号議案 神奈川県統計調査条例   定県第 106号議案 神奈川県犯罪被害者等支援条例   定県第 107号議案 神奈川県手数料条例の一部を改正する条例   定県第 108号議案 神奈川県県税条例の一部を改正する条例   定県第 109号議案 神奈川県行政機関設置条例及び職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例   定県第 110号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 111号議案 神奈川県個人情報保護条例の一部を改正する条例   定県第 112号議案 神奈川県立外語短期大学条例の一部を改正する条例   定県第 113号議案 神奈川県福祉の街づくり条例の一部を改正する条例   定県第 114号議案 神奈川県職業能力開発促進法関係手数料条例の一部を改正する条例   定県第 115号議案 港湾の設置及び管理等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 116号議案 神奈川県営のリロケーション住宅条例の一部を改正する条例   定県第 117号議案 神奈川県立体育センター及び神奈川県立西湘地区体育センターに関する条例の一部を改正する条例   定県第 118号議案 神奈川県立武道館条例の一部を改正する条例   定県第 119号議案 工事請負契約の締結について(相模川流域下水道右岸処理場北系汚泥処理棟築造工事(土木・建築)請負契約)   定県第 120号議案 工事請負契約の締結について(相模川流域下水道左岸処理場新1号焼却炉改築工事(機械・電気)請負契約)   定県第 121号議案 工事請負契約の変更について(神奈川県防災行政通信網衛星系端末地球局整備工事請負契約)   定県第 122号議案 工事請負契約の変更について(酒匂川流域下水道左岸処理場水処理第3系列築造工事請負契約)   定県第 123号議案 当せん金付証票の発売について   県報第3号 専決処分について承認を求めること(平成20年度神奈川県一般会計補正予算(第2号))   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-平成20年12定-20081204-026509-質問・答弁-磯貝捷彦議員-代表質問①地方分権改革の実現について②緊急経済対策について③税財政問題について④神奈川県自治基本条例について⑤環境問題について⑥農商工連携による県内農業の活性化について⑦山梨、静岡両県との連携について⑧教育問題について》    〔議会局長報告〕  出席議員 議長共89名 ○議長(榎本与助) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(榎本与助) 審議を行います。  日程第1、定県第104号議案 神奈川県自治基本条例外20件を議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  磯貝捷彦君。〔磯貝捷彦議員登壇〕(拍手) ◆磯貝捷彦議員 榎本議長のお許しをいただきましたので、私は自由民主党神奈川県議団を代表し、県民の心を心とし、思いを思いとして、通告に従い、提言を交えながら順次質問させていただきます。  知事並びに教育長におかれましては、明快かつ誠実なご答弁をお願いいたします。  質問の第1は、地方分権改革の実現についてであります。  第2期地方分権改革は、住民に身近な行政に関する企画・決定・実施を、一貫して、できる限り地方自治体にゆだねることを基本として、地方政府の確立を目指すものであります。そのため、国と地方の役割分担の抜本的な見直しを行い、国から地方への権限移譲を推進しようとするものでありますので、国の出先機関の徹底的な見直しは、避けて通れない重要な課題であります。現在、政府の地方分権改革推進委員会による国の出先機関の見直し等の検討が本格化しており、本年5月に出された第1次勧告に引き続き、年内には第2次勧告が出される予定となっております。  しかしながら、これまでの地方分権改革推進委員会における議論の様子を見ておりますと、国の出先機関の見直しや、直轄国道及び1級河川の整備・管理権限の地方への移譲については、中央省庁の抵抗が強く、検討が難航しているものと思われるところであります。  麻生首相は、地方分権改革を年末にかけての最重要課題と位置づけ、先月、第2次勧告に向けて、地方分権改革推進委員会の丹羽委員長を官邸に招き、二重行政を廃止し、国民や国会の目の届かない出先機関については、目の届くようにすべきであるとし、国の出先機関を抜本的に見直すよう、直接指示を出したとされております。  特に、国の出先機関の中でも飛び抜けて巨大な組織・人員を抱える地方整備局地方農政局を統廃合する方向で検討するよう指示したとのことであります。  地方の側といたしましても、今回の改革の流れを確実なものとしていくためには、第2次勧告が大変重要で、盛り込むべき内容についても、地方の意見を確実に反映させるよう積極的な取り組みがぜひとも必要であります。  さきの9月県議会定例会において、我が会派の杉山信雄議員が第2次勧告に向けた本県の取り組みについて代表質問を行いましたが、知事からは、「全国知事会にも強く働きかけながら、県内10団体等とも緊密に連携し、地方分権改革推進委員会の活動を後押しするとともに、国への働きかけを強めていく決意である」との考えを示されました。  そこで、知事に伺います。  地方分権改革推進委員会による第2次勧告が示されようとしているところでありますが、9月県議会定例会で示された決意をどのような形で実行されてきたのか、お聞きします。  質問の第2は、緊急経済対策についてであります。  米国のサブプライムローン問題に端を発した世界的な金融危機は、我が国にも飛び火し、急激な円高や株安等により、多くの国内企業の業績は急速に悪化しております。さらに、政府が発表した11月の月例経済報告では、景気の基調判断を2カ月連続で下方修正し、10月の「景気は弱まっている」との表現に加え、世界経済が一段と減速する中で、下押し圧力が急速に高まっているとの判断を示しており、景気の後退感は一層強まってきております。  これまで、原油や原材料価格の高騰によって、苦しい経営を強いられていた中小企業は、さらに厳しい打撃を受け、雇用不安も増大するなど、かつてないほど国民生活への深刻な影響が出ております。  こうした状況にあって、政府・与党は、経済対策として、8月末に安心実現のための緊急総合対策をまとめ、第2弾として、3年以内に日本経済を立て直すという基本認識のもと、生活者の暮らしの安心、金融・経済の安定強化、地方の底力の発揮を3本の柱とする、事業規模約27兆円の追加経済対策を去る10月30日に発表いたしました。  一方、本県では、国の追加対策に先立ち、「原油・原材料等高騰対策本部」を発展的に改組した「緊急経済対策本部」を立ち上げ、県民や中小企業の方々の安心・安定の確保に向けて、緊急経済対策の第1弾を取りまとめ、10月24日に発表しました。さらに、11月18日には、第2次の対策を追加し、対策を強化して取り組んでいると承知しております。  しかしながら、現下の経済情勢につきましては、米国の大手金融機関自動車メーカーなどの危機的な経営状況が伝えられておりますし、国内有力企業でも、減産方針が決定され、また、業績見通しが軒並み下方修正されるなど、深刻な経済環境にあることがますます鮮明になってきております。まさに、先の見えない危機的な状況にあることは明らかでございます。こうした状況を踏まえますと、国の追加経済対策とともに、県の経済対策につきましても、さらなる充実強化が望まれるところでございます。  そこで、知事に伺います。  これまで2次にわたり講じてきた県の緊急経済対策について、今後どのような基本的な考え方に基づいて取り組んでいくのか、お聞きします。  質問の第3は、税財政問題についてであります。  初めに、20年度の県税収入の見通しについて伺います。  知事は、9月県議会定例会の提案説明の中で、米国経済の減速と原油・原材料価格の高騰などに伴う企業収益の悪化といった経済情勢を踏まえると、本年度の税収は当初予算に対して200億円を超える減収が見込まれると説明されております。  その後、米国の大手証券会社リーマン・ブラザーズの経営破綻などに見られるように、サブプライムローン問題に端を発する金融危機が、米国のみならず世界同時株安として瞬く間に世界を駆けめぐり、我が国経済におきましても、株価が10月28日にバブル崩壊後の最安値となる6,994円と26年ぶりに7,000円台を割り込み、為替相場が10月24日に、ロンドン市場において1ドル90円88銭と13年ぶりの90円台となるなど、株価の下落や円高に歯どめがかからない状態が続いております。  このようなことから、企業の収益環境は日増しに厳しさが強まっており、先ごろ、日本経済新聞社が取りまとめた上場企業1,603社の平成21年3月期の企業収益見通しでは、4月から9月までの半期分の実績は、経常利益が前年比25%の減益、続く下期の収益環境はさらに悪化し、通期予想では24.8%の大幅な減益が見込まれております。その中でも、本県の主要企業であります日産自動車は通期で前年比66%の減益、東芝も同じく37%の減益、ソニーも同じく58%の減益と、全国の減益決算を上回る大幅な減益が見込まれているところであります。こうした状況からしても、9月県議会定例会以降、本県の経済情勢はさらに悪化しているものと考えるところでございます。  そこで、知事に伺います。  最近の経済情勢や企業動向等を踏まえ、本年度の県税収入の見通しについては、現段階でどのようにとらえているのか、見解をお聞きします。  次に、県税の徴収対策について伺います。  このところの経済情勢などから、本県は厳しい財政状況に直面しているところであり、県税収入の減少はどうしても避けられない状況でありますが、こうしたときこそ、課税すべきものはきちんと課税し、徴収すべきものはきちんと徴収するという税の基本を十分に認識した上で、税負担の公平性という点からも、税収確保の取り組みを推進すべきであると考えます。  また、平成19年度決算では、一般会計の収入未済額は前年度より58億円増加し、356億円となっていますが、この収入未済額のうち92%に当たる327億円が県税であり、その増加額も56億円と、収入未済の増加額のほとんどを占めています。これは三位一体改革の一環として、所得税から個人住民税への税源移譲が平成19年度に実施され、個人県民税の課税額が大幅に増加したことに伴う増加とのことであります。国から地方への税源移譲によって地方税の充実が図られたことの意義は大きいですが、本県では自主財源である県税が一般会計歳入の7割以上を占めており、地方分権を推進する観点からも、収入未済額の圧縮に向けて、しっかりと取り組んでいかなければならないと考えております。  県では、これまでも、その時々の社会経済情勢に応じてさまざまな取り組みを積極的に実施して、県税の収入確保に取り組み、徴収率も他の都道府県と比較すれば高い水準を維持していることは承知しております。しかし、収入未済額が増加していることに加え、本年度は県税収入が大きく落ち込む見通しとなっていることを踏まえると、これまで以上に税収確保に努めることが何よりも重要と考えます。  そこで、知事に伺います。  税収の大幅な減収が見込まれる厳しい税収環境のもとで、県税の徴収対策にどのように取り組んでいくのか、見解をお聞きします。  次に、平成21年度と今後数年間の財源不足への対応について伺います。  知事は、9月定例会本会議で、景気は後退局面に入ったとの見方が強まったとの認識を示すとともに、平成21年度の財政収支は1,000億円を超える財源不足が見込まれ、危機的な財政状況に直面しつつあるとの見解を示されました。そして、10月に公表した平成21年度当初予算編成方針では、おおむね1,350億円の具体的な財源不足の見通しを示しております。その後の我が国の経済情勢は皆様もご承知のとおり、悪化の一途をたどっている様相でございます。  この巨額の財源不足で思い出しますことは、岡崎前知事時代の平成11年度当初予算編成を控えた平成10年9月に行った財政の非常事態宣言であります。このときは、バブル経済崩壊後の法人二税の落ち込みが10年度途中に膨らみ、1,150億円の減収が必至とされました。そして、非常事態宣言を行った9月の段階では、翌年度である平成11年度の財源不足額は2,200億円でありましたが、当初予算編成時点では2,900億円まで拡大してしまい、その財源を年度当初では埋めることができず、250億円の財源不足額を抱えたまま新年度を迎えたことを鮮明に覚えております。平成10年の財政の非常事態宣言は、県民に対して歳出減による悪影響が出ることについての理解を求めるものでした。  今回の1,350億円の財源不足額は、11年度当初の2,200億円に次ぐものだということですが、今後の経済情勢次第では、さらに財源不足が拡大することが確実視されます。したがって、事務事業の廃止や見直しはもとより、これまでにも増した徹底的な行財政改革を実行していかないと、この巨額な財源不足は埋まらないと思います。そして、歳出減により、今後、県民生活に影響を及ぼすようなことが生ずることも予測されますので、具体的でわかりやすい取組方針を策定し、県民に向かって緊急的なアピールを打ち出していくことも必要ではないかと考えております。  平成21年度当初予算編成方針では、県税を中心に歳入全体で大幅な減収となる一方で、歳出では介護・措置・医療関係費や公債費などの義務的経費が大幅に増加する中にあって、県民ニーズや県政に直面する課題に対応した真に必要な政策を、迅速かつ着実に推進していくという見解を示しております。財政状況が厳しくても、県民生活に影響が出ないように必要な事業は進めなければなりません。  また、過去の例からも、本県税収は一たん減収に転じると、しばらくは減収が継続すると言われていますので、危機的な財政状況が数年間は続くと思います。21年度当初予算編成が今スタートしたばかりで、その財源対策を検討している最中だと思いますが、今後の財源不足に対し、早急に取り組んでいくことが必要ではないかと思います。  そこで、知事に伺います。  予算編成中ではありますが、現時点での平成21年度の財源不足への対応と今後数年間の財源不足を視野に入れた取り組みについて、見解をお聞きします。  第4の質問は、今定例会に提案されている「神奈川県自治基本条例」についてであります。  自治基本条例につきましては、全国の制定状況を見てみますと、住民にとってより身近な基礎自治体であります市町村での制定がかなり進んでおり、地方分権改革の進展を背景に、現在までに100を超える市町村で制定されているところであります。神奈川県内の市町村におきましても、現在までに4市5町の9団体が制定しており、さらに複数の市町が今後の条例制定を目指して、現在、検討を進めていると伺っております。  しかしながら、都道府県におきましては、現在のところ制定例がないのでありますが、こうした状況は、まちづくりへの住民参加など、住民に身近な市町村に制定のインセンティブが働いているのではないかと考えているところであります。  また、提案されている条例案の内容を拝見いたしますと、県政運営の全般にわたって、その基本となる理念や基本原則、基本原則に基づく制度及び手続が規定されております。  その一つとして県民投票がありますが、住民投票を制度化した自治体の状況は、県内では、逗子市、大和市及び川崎市において、常設型の住民投票条例が制定されており、全国では20を超える市町村で制定されております。しかし、住民投票の具体的な制度をつくる場合には、二元代表制とのかかわりをどう考えるのかという点や、投票資格、投票対象、発議者及び選挙との同時実施の可否など、さまざまな検討すべき点があったと聞いております。こうした検討課題については、どこの自治体でも、住民投票制度をつくる際には共通する課題であると考えるところでありますが、広域自治体である県の場合には、それらに加えて特有の課題もあるのではないかと思われます。  例えば、地域特性のある事案について県民投票を行ったとき、単に多数決の結果を尊重することになれば、その事案に直接利害関係のない多くの住民の意見が反映されてしまうことや、県と市町村との問で協議を重ねて得られた内容と、県民投票の結果にそごが生じることも想定され得ることから、どのように調整するのかという課題も考えられます。  県が広域自治体としての県民投票制度をつくる際には、こうした特有の課題も十分踏まえた検討がなされるものと思いますが、基礎自治体である市町村の意見を受けとめ、慎重に取り組むべきではないかと考えるところであります。  そこで、知事に伺います。  県民投票を具体的に制度化するに当たっては、議会や市町村などと慎重に協議しなければならないと思いますが、見解をお聞きします。  また、新たな取り組みとして、市町村との協議体制の整備が盛り込まれております。これに対しては、制度の意義を認めるものや常設の協議機関とすべきという肯定的な意見や従来からある各種会議の屋上屋を架すことがないように、各種会議の関連性や位置づけの整理が必要という意見が市町村から寄せられたと聞いております。  地方分権改革の進展に伴い、基礎自治体である市町村との協力関係を強めていかなければ、広域自治体としての県の役割を果たしていくことができないと思います。したがって、市町村との協議体制の整備については、市町村の意見や要望を踏まえ、条例の実効性が確保されるしっかりとした仕組みをつくっていくことが重要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  自治基本条例に基づく市町村との協議体制の整備については、実効性のあるものにすることが必要であると思いますが、どのような仕組みをつくろうとしているのか、お聞きします。  次に、環境問題についてであります。  最初に、地球温暖化対策について、2点お聞きしたいと思います。  まず、名称は仮称でありますが、「地球温暖化対策推進条例」について伺います。今年度から京都議定書の約束期間が始まり、我が国には1999年度比6%の削減が義務づけられております。しかし、先月の環境省の発表によれば、2007年度の国内の温室効果ガスの排出量は、二酸化炭素CO2換算で約13億7,100万トンであり、京都議定書の基準年である1990年度の排出量を8.7%上回り、詳しいデータがある90年度以降で最大となったとのことです。これは、原子力発電所の稼働率が低迷し、化石燃料を使う火力発電所で代替したことなどが主な原因ですが、2008年度もこうした状況が続くのは確実と考えられており、目標達成は非常に厳しい状況にあります。  現在、本県では、神奈川県地球温暖化対策推進条例を今年度中に制定することを目指しており、9月県議会では骨子案が示されたところです。温暖化対策が待ったなしの中で、この条例が単なる理念条例にとどまることなく、実効性を確保することが重要であります。  この骨子案では、知事が地球温暖化対策を総合的かつ計画的に推進するために「地球温暖化対策計画」を策定することとしており、この計画を実施していくためには、市町村や事業者、県民等との連携・協力が不可欠だと思います。県内の市町村の中には、既に独自に施策を展開しているところもあることから、県が地球温暖化計画を策定するに当たっては、こういった市町村の施策や計画との連携・整合を図ることが必要だと考えます。  そこで、知事に伺います。  条例の実効性を確保するために県が策定することとなる地球温暖化対策計画では、市町村の地球温暖化対策との連携や整合をどのような考えにより図っていくのか、見解をお聞きします。  次に、家庭における取り組みの推進について伺います。  2007年度の国内の温室効果ガスの排出量データを見ても、工場など産業部門からの排出量は、排出量全体に占める構成割合が36%と最も大きいですが、京都議定書の基準年である1990年度からの増加率を見ると、1.3%の減少となっています。これに対して、オフィスビルなど業務部門は41.7%、次いで家庭部門も41.1%と増加が著しい状況です。地方自治体には、このようにCO2排出量の伸び率が高い家庭部門における取り組みを推進していくことが、とりわけ求められていると考えております。  先月、経済産業省は、商品の原材料調達、製造、流通、使用、廃棄に至る間でのCO2の排出量を示すカーボンフットプリントが一目瞭然となるように、商品に張りつける統一マークを決定したとのことです。はかりでCO2の排出量をはかっている絵柄で、はかりの皿の上で排出量を表示します。今後どのように排出量を算定するか、またどのような商品に表示するかなどについて検討していくようであり、普及にはまだまだ時間がかかりそうですが、このように商品のCO2排出量をわかりやすく示すこともアイデアの一つであると思います。  これはあくまで一例ですが、二宮尊徳翁の教えの一つである、小さなことでも積もり重なれば大きくなるという積小為大のとおり、各家庭の一つ一つの取り組みは小さくても、いろいろ工夫して県民の意識を高め、一人一人の取り組みを積み重ねることは、対策全般を推進する上で極めて重要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  県として、家庭での省エネルギーや新エネルギー導入の促進策などを積極的に進めていくことが必要であると考えますが、このような家庭部門におけるCO2排出量削減の取り組みをどのように推進していくのか、お聞きします。  次に、森林の保全・再生について伺います。  森林は、緑のダムと言われておりますように、雨水を蓄え、渇水や洪水を緩和する水源涵養機能を初め、斜面崩壊や土石流などの土砂災害を防止する機能、あるいは杉・ヒノキによる木材を提供する機能を担っており、加えて箱根等県西部では観光資源としての役割も有しております。さらに、近年では、大気中の二酸化炭素の吸収源として地球温暖化防止にも寄与することが期待されるなど、森林は多面的な機能を有しており、森林に期待される役割はますます大きくなってきております。  さて、このように貴重な本県の森林は、木材価格の低迷を契機とした林業の長引く不振、丹沢大山におけるシカの増加などを初めとしたさまざまな要因により、荒廃林の増加が顕在化して久しく、国有林以外の人工林の約6割が長期的な手入れ不足の状態にあるということです。  また、県内森林の3分の2を占める私有林は、小規模零細な所有者が多く、加えて、相続などによりさらに細分化し、不在村所有の森林が増加しており、所有者の森林への関心は非常に希薄になってきております。  こうしたことから、森林所有者に森林の適正管理を期待することは困難となってきており、森林の持つさまざまな公益的機能を維持・増進して、森林に対する県民の期待にこたえていくためには、行政の関与により森林の保全・再生を進めていく必要があります。また、地球温暖化の影響が急速に深刻化しており、我が国の京都議定書の目標達成計画における森林吸収量の目標3.8%の達成に向けた森林整備の推進も急がれております。  そこで、知事に伺います。  県土の4割に相当する広大な森林の保全・再生を効果的かつ効率的に進めるためには、広域自治体としてどのように取り組んでいくか。また、あわせて平成22年春に本県で開催される全国植樹祭についてですが、県ではこの全国植樹祭を、神奈川の森林再生の取り組みを全国に発信しながら、さらに前進させる大きな節目と位置づけていると承知しております。このためにも、神奈川らしさを生かした取り組みが必要だと思いますが、見解をお聞きします。  次に、都市型豪雨対策について伺います。  本県や東京都などの都市部では、特に夏場に、突然、猛烈な雨に見舞われることが多くなったと感じております。こうした、梅雨や台風が原因ではなく、狭い地域に短時間のうちに強く降る豪雨は、ヒートアイランド現象などによるとも言われており、地球温暖化による気候変動と相まって、いわゆる都市型豪雨は今後増加し、その被害が拡大することも懸念されております。  都市部で発生する豪雨は、家屋の浸水や道路の冠水、冠水した道路で自動車が立ち往生し、交通を麻痺させるなど、さまざまな被害を発生させています。本年8月に関東や東海地方の広範囲を襲った集中豪雨では、相模原市で最大時間雨量が96.5ミリメートルに達した地域があるなど、わずか数時間の集中豪雨により、県内各地に大きな被害をもたらしました。  本県の治水対策は、県内の河川のうち、特に過去の大雨で水害が発生した河川や、都市化の進展が著しい河川について、「都市河川重点整備計画」に基づき、6地域、15河川を治水上特に重要な河川と位置づけ、おおむね時間雨量50ミリメートルを当面の整備目標とし、重点的に河川整備を進めてきました。  そして、過去の本会議で知事は、総合的な豪雨対策として、平成21年度を目途に都市河川重点整備計画を改定していくことを答弁されています。また、都市化の進展により、地表面がアスファルトやコンクリートに覆われ、雨水の浸透が妨げられていることを考えれば、最近の都市型豪雨による浸水被害に対しては、河川の整備のみならず、流域対策として雨水浸透を促進するための整備や下水道の整備等による広域的かつ総合的な取り組みが必要だと考えております。  そこで、知事に伺います。  都市型豪雨対策として、都市河川重点整備計画をどのように見直していくつもりか、また、最近の気候変動に対応した流域対策が必要であると考えるが、どのように取り組んでいくのか、あわせてお聞きします。  次は、農商工連携による県内農業の活性化についてであります。  我が国のカロリーベースの食料自給率は40%と、他の先進国諸国と比較しても極端に低い状況にあり、その分、私たちの食生活は外国に大きく依存しています。しかし、昨今の中国産の冷凍ギョウザ事件や、牛乳、乳製品へのメラミン混入問題など、輸入食品の安全性を大きく揺るがす事件が相次いで生じており、食に対する安全・安心の問題が深刻化しております。  9月に内閣府が行った「食料・農業・農村の役割に関する世論調査」では、将来の食料輸入について「非常に不安」とする回答は、平成18年に実施した前回の調査では28.7%でしたが、56.8%へとほぼ倍増し、「ある程度不安」と答えた人を含めて、不安を感じる人は93.4%に達したとのことであります。こうした調査結果を見ましても、安全で安心できる食料への人々の関心の高まりをうかがうことができます。新鮮で安全な食料を人々に供給するという点では、やはり国内で生産されたものを消費すること、さらに、身近で生産されたものを消費する地産地消が一番であると思います。  一方、本県農業に目を向けますと、全国第2位の約900万人の県民を擁しながら、全国で3番目に狭い約2万900ヘクタールの農地において、野菜を中心とした農産物を生産する都市型農業であります。さきに申し上げたカロリーベースの食料自給率では、東京、大阪に次いで全国で3番目に低い3%という状況にあります。本県では、「神奈川県都市農業推進条例」、さらに、この条例に基づく「かながわ農業活性化指針」のもとで、本県の農業の活性化にさまざま取り組んでいるところではありますが、県民に新鮮で安全な食料の確保を図っていくためには、今まで以上に県内産農産物の認知度や付加価値を高めるなどの取り組みを通じて、本県農産物の需要を喚起するなど、本県農業を活性化させていくことが必要だと考えます。  国では、現在、地域の農林水産業者と商業・工業者の連携を強化し、地域経済を活性化しようという農商工連携促進の取り組みを打ち出しておりますが、県内農業の活性化のためには、このような取り組みも有効な手段となるのではないでしょうか。  そこで、知事に伺います。  種々の課題を抱える県内農業のさらなる活性化を図るためには、農業者と商工業者との連携を積極的に進めることが必要だと考えますが、見解をお聞きします。  次に、山梨・静岡両県との連携についてであります。  初めに、「山静神サミット」の今後の取り組みについて伺います。  山静神は山梨、静岡、神奈川の3県にまたがる富士箱根伊豆地域における平成7年以降の人口の推移を見ると、一部例外の市町村はあるものの、地域全体で見ると人口は減少してきており、中にはこの10年間で人口が約4分の1も減少した町もあるほどであります。こういった人口減少に歯どめをかけるには、一つの町での努力にも限界があり、広域的な観点から対策を講じていく必要があります。  また、この地域では、このほかにも、切迫性が指摘されている東海地震などに対する防災対策や、毎年7月、8月の登山シーズンだけでも、全国から約30万人もの登山者が訪れる富士山周辺のごみ問題など、広域的な観点から連携した取り組みが必要な課題が山積しております。  こうした状況を踏まえ、平成18年1月に行われた山梨、静岡、神奈川の3県知事による懇談で、今後、3県知事によるサミット、いわゆる山静神サミットを定期的に開催して、広域的な行政課題について意見交換を行うこととされ、本年10月20日に本県主催で開催された第3回サミットでも、来年開港予定の富士山静岡空港を活用した観光客誘致の促進に取り組むことなどについて合意されたところであります。  この山静神サミットでは、これまでも広域防災対策や廃棄物不法投棄対策などで連携した取り組みを展開してきたことは承知しておりますが、今後は、今までの取り組みに加え、例えば、富士山静岡空港の開港ばかりでなく、2010年の羽田空港の再拡張・国際化といった、この地域の振興に弾みをつけるような新たな要素も踏まえながら、隣接する山梨・静岡両県との連携した実効性のあるさらなる取り組みが必要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  この山静神サミットは、県西地域の活性化にとって重要な取り組みであると考えますが、今後どのように取り組みを進めていくのか、見解をお聞きします。  次に、県西地域の観光振興について伺います。  山梨、静岡、神奈川の3県にまたがる富士箱根伊豆地域は、日本の象徴である富士山を初め、山岳や湖水、美しい海岸線など、豊富な自然景勝地を有しております。また、文化や歴史、温泉やレクリエーション施設など多彩な観光資源に恵まれた地域であり、国内外から年間約1億3,000万人が訪れる国内有数の観光地として発展してきました。  富士箱根伊豆地域を構成する県西地域は、国際的な観光リゾートである箱根を中心として、温泉地として知名度の高い湯河原や、古くから栄えた伝統産業文化や歴史的風情を持つ城下町・小田原など、観光地としての集客力の高いエリアを有しています。  その一方で、地域全体を見渡しますと、多くの観光客を呼び込む観光資源が、現状では十分ではないエリアもあり、各市町がそれぞれ持っているさまざまな特色を生かした観光振興を進めることで、地域全体が発展していくよう取り組んでいく必要があると考えます。  このような中、来年には富士山静岡空港が開港し、さらに2010年には羽田空港の再拡張・国際化が予定されており、こうした航空インフラの整備は、二つの空港を結んだルート上に位置する本地域のさらなる観光振興に向けた起爆剤になると期待しております。今後、本地域の観光振興を進めていくためには、隣接する山梨、静岡との連携が重要になりますが、三県サミットでは、この地域の多彩な観光資源を生かし、国内外から一層の観光客誘致を図るため、3県知事の共同による海外トップセールスの実施や、「富士山ライジングプロジェクト」の策定などの観光振興策が提案・合意されていると承知しております。  また、三県サミットのほかにも、県境を越えた37市町村で構成される富士箱根伊豆交流圏市町村ネットワーク会議、いわゆるSKY圏において、圏域の振興、活性化に向けた取り組みを行っており、こうした3県及び各市町村の取り組みにより、地域全体の観光客が増加していくことで、県西地域の振興が図られることから、今後の取り組みに対する地域の期待も大きいと感じています。  そこで、知事に伺います。  小田原を初めとする県西地域の活性化に向けた観光振興施策について、山梨県、静岡県とも連携しながら、具体的にどのように取り組もうとしているのか、お聞きします。  次に、教育問題についてであります。  初めに、学校における武道学習について伺います。  今年の1月に、国においては、中央教育審議会から改正教育基本法を踏まえた学習指導要領の改訂に関する答申が示されました。この答申では、武道の学習を通じて、我が国固有の伝統と文化により一層触れることができるように指導のあり方を改善すると示されております。私も常々武道については、わざを磨くけいこを通じて人格の完成を目指すもので、児童・生徒にとっては礼儀作法を身につける上でも、極めて価値の高い大切なものであると考えております。  答申を受け、文部科学省では、3月に中学校学習指導要領を改訂しましたが、これまで中学1・2年生において選択必修であった武道の学習を、平成24年度からすべての生徒が必ず学習する、いわゆる必修といたしました。この必修化に伴い、武道については、これまで以上に安全の確保に留意するとともに、武道学習が効果的に行われるよう、その条件整備に努める必要があります。県議会では、超党派の神奈川県議会武道振興議員連盟を10月に立ち上げ、武道必修化への対応や武道施設の増設、武道指導者養成の推進などにさまざまな形で取り組んでいるところでございます。  さて、武道学習の充実に向けては、武道が有する伝統文化や所作の美しさなど、生徒に習得させるために、武道の意義や価値を理解している、さらには、武道をしっかりと指導できる指導者の確保が必要であると考えます。  現在、学校において武道を教えている人はというと、多くが教員であると思われます。しかしながら、実際に指導している現場の教員からは、この武道必修化に当たって武道学習の指導方法や施設・設備面での不安を感じているという声も聞いております。  このような状況もあり、教員だけでは、私が申し上げた我が国の固有の伝統と文化、また、人格の育成、礼儀作法といった態度を身につけさせることは十分とは言えないと考えております。  そこで、武道の指導を行う、例えば、県警察退職職員や地域で武道指導に携わっている団体等への協力要請なども考えられるのではないでしょうか。指導者の問題だけではなく、武道学習を充実させていくためにも、武道に合った設備や道具等の整備も必要であります。  そこで、教育長に伺います。  教育委員会としては、武道の学習の意義をどのように考えているのか、また、武道の習得を推進する上で、必要な人材確保や設備などの整備について、どのように取り組んでいこうとしているか、見解をお聞きします。  次に、伝統文化の習得について伺います。  去る11月28日に、小田原市尊徳記念館において、松沢知事や私も含めた大勢の関係者の立ち会いのもとに、二宮金次郎像のブラジル寄贈の出発式が盛大に行われました。二宮尊徳翁は、今から150年ほど前、江戸時代の後期に活躍した、私の郷土小田原の偉人であります。人間は、自分の利益や幸福を追求するだけの生活ではなく、この世のものすべてに感謝し、これに報いる行動をとることが大切で、それが社会と自分のためになるという報徳思想に基づき、道徳と経済の両立を説き、当時の困窮した農村の復興に力を注ぎ、東北から九州にまで影響を与えました。二宮金次郎の思想や生き方は、いじめや不登校といった学校現場でのさまざまな問題の解決に大いに参考になると思いますし、子供たちにとっても、勤労の大切さや自然の恵みに感謝する心、また、人と助け合って生きることなどを教えることになり、大変意義のあることだと思っております。  そして、こうした郷土の偉人や歴史を初めとした郷土の伝統や文化などを、学校教育の中で子供たちにしっかりと教えていくことが、日本人としての自己形成にとって大変重要なことであると思います。  このたび、教育基本法や学校教育法などが改正され、今後の教育の方向性や学力の要素等が示されましたが、教育基本法の前文には「伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する」と示されております。このことは、伝統と文化に関する教育を推進することが、国際社会に貢献する態度や自覚を持った日本人の育成につながることを言っていると理解しております。我が国の未来を切り開くのは、今、学校で学んでいる子供たちであります。今、学校で学んでいる子供たちが我が国をつくっていきます。  もちろん、学校では、地域の方々の協力を得て、地域に伝わる伝統や文化について学習していることは承知しております。実は、私は、子供たちにとって、伝統や文化はとても身近なものだと思っています。もともと、「文化」という言葉は、英語でカルチャー、耕すという語源を持っているそうであり、そこから考えますと、地域で暮らす人々が、その土地で長年かけて耕し、蓄積した歴史や習慣、風俗といったものが、伝統や文化という形になって残っているととらえています。こうしたことから、小中学校でこれから推進される伝統と文化に関する教育は、子供たちが生活する地域に根差し、そこではぐくまれた文化や伝統を学習することでもあり、大変意義が深いものであります。  したがって、学校教育において、伝統や文化に関する学習を、子供たちの発達段階を踏まえ、さまざまな場面で積極的に指導されることは大変重要なことでありますし、その際、地域の方々とのつながりを大切に、伝統と文化ということからも、地域の大人から子供たちにバトンを受け渡すような意識をもって指導に当たっていただくことも大切ではないかと考えます。  そこで、教育長に伺います。  児童・生徒が日本の伝統や文化を学校で習得できる機会をふやしていくことが必要であると考えますが、見解をお聞きします。  最後に、県立神田高校における入学者選抜についてであります。  既に、マスコミなどに大きく取り上げられておりますが、今年の春を含め、過去3回にわたり、神田高校の入学者選抜におきまして、あらかじめ公表している選考基準を逸脱し、本来なら合格していた生徒、合計22人を、基準にはなかった服装の乱れなどを理由に不合格としていた問題が明るみになりました。この事態の収拾を図るため、前校長が県民の皆様に対して謝罪し、教育委員会はこの校長の異動を発表しました。  県教育委員会では、今回のように、公表していた選考基準を逸脱して合否を決定した神田高校のやり方は、本県公立高校の選抜制度のルールに違反しているという見解を示しました。  その一方で、受験生は受験日当日にはまだ中学生であり、今回問題とされた、まゆをそっている、髪を染めているなどという服装の乱れについては、中学生として校則等で本来認められていないものであり、常日ごろから生活指導がきちんとなされていれば、そもそもこうした事態が起こらなかったのではないかと残念でなりません。  今回の問題は、一般的な社会常識から見れば、当然といった県民の方々の多くの意見もあるようです。服装の乱れは心の乱れであると常日ごろから私自身が考えておりますので、今回の受験生の服装の乱れの問題については、県教育委員会としても、学校現場での生徒・児童への生活指導のあり方の問題としてしっかりと受けとめて、今後の指導に生かしていっていただきたいと思います。  このように、神田高校の受験問題については、服装や態度を正すことは当然など、学校を擁護する意見が多かったと聞いておりますが、ほかにもさまざまな意見が多くの県民の方々から県教育委員会に寄せられたと聞いておりますので、神田高校だけの問題として片づけることなく、教育委員会としては、今後に向けてしっかりとした対応を図っていくことが肝要であります。  そこで、教育長に伺います。  今回の神田高校における入学者選抜に関する問題について、教育長の見解をお聞きします。また、多くの県民の方々から寄せられた意見などを踏まえ、今後の対応について、あわせて見解をお聞きしておきます。  以上で、私の第1回目の質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。〔拍 手〕〔知事(松沢成文)発言の許可を求む〕 ○議長(榎本与助) 松沢知事。〔知事(松沢成文)登壇〕 ◎知事(松沢成文) 磯貝議員のご質問に順次お答えいたします。  初めに、9月県議会以降の本県の分権改革の取り組みについてお尋ねがありました。  現在、国の地方分権改革推進委員会は、今月予定されている第2次勧告に向け、精力的に調査・審議を進めておりますが、これに対し、各省庁は相変わらず分権改革に後ろ向きの姿勢を続けております。  こうした状況を打開するために、県としては、10月以降、他の自治体と連携し、提言や要請、アピールといった取り組みを精力的に展開してまいりました。具体的には、全国知事会を初め、関東地方知事会や八都県市首脳会議において、地方分権改革の推進に関する提案・要望を取りまとめ、波状的に国に対し働きかけてまいりました。  また、県内の自治体及び議会の代表10団体で構成する「神奈川県地方分権改革推進会議」においては、県内自治体や議会の共通した分権課題を踏まえた提言を取りまとめ、政府及び地方分権改革推進委員会へ提出いたしました。  さらに、本県は、他県に先駆けて地方からの分権改革に関する提案を国に示すため、先月、地方分権改革の推進に向けて、勧告への緊急提言と題する冊子を作成いたしました。そして、この緊急提言をこれから出される勧告や地方分権改革推進計画に反映させるため、麻生総理大臣を初め、丹羽地方分権改革推進委員会委員長や県内選出の国会議員の皆様などへ集中的に要請活動をしてきたところであります。  今後とも、地方分権改革の動向を踏まえ、他の自治体との連携を密にしながら、真の地方分権改革を確実に実現するという揺るぎない信念をもって積極的に取り組んでまいります。  次に、今後の緊急経済対策に取り組む基本的な考え方についてのお尋ねをいただきました。  議員お話しのとおり、今般の世界的な金融危機や景気悪化により、県内経済にも一層深刻な影響が懸念される状況になったことを踏まえまして、去る10月24日に、「神奈川県緊急経済対策本部」を立ち上げ、全庁一丸となりまして順次対策に取り組んできたところであります。  しかしながら、景気の先行きは、輸出や生産の減少に加え、個人消費も冷え込んできており、さらに雇用面においても特に派遣や期間従業員の削減が懸念されるなど、より一層の厳しさが見込まれております。  国においては、10月30日に大規模な財政出動を伴う追加経済対策を発表いたしましたが、裏づけとなる補正予算案の臨時国会への提出が見送られるなど、その実施はいまだ不透明な状況となっております。そこで、本県といたしましては、県内の行政機関、金融機関、産業界、労働界などが一体となって、効果的な経済対策に取り組むため、先日、「神奈川県緊急経済対策連絡協議会」を設置いたしました。  今後とも、この協議会の場などを通じて、県内の経済状況はもとより、県民及び中小企業の方々が抱える痛みと不安について的確に把握した上で、県の有する権能を最大限に発揮した有効な対策に取り組んでまいりたいと考えております。  また、金融や税制などの総合的な景気対策や大規模な財政出動は、本来、国において行うべきでありますので、国に対しましても、本県から具体の施策について積極的に提案を行ってまいります。  こうした基本的な考え方のもと、国の対策に速やかに呼応することはもとより、深刻化している雇用情勢への対応などを中心とした、よりきめ細かな追加対策を講ずるなど、県民や中小企業の方々の安心・安定の確保に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。  次に、平成20年度の県税収入見通しについてのお尋ねがありました。  まず、税収見通しの背景となる最近の景気動向でありますが、政府が発表した7月から9月期の四半期別国内総生産は世界的な景気減速を反映して、マイナスの0.1%と、2期連続のマイナス成長となっております。  こうしたことから、11月の政府月例経済報告では、景気は弱まっている、さらに世界経済が一段と減速する中で、下押し圧力が急速に高まっていると、10月に比べ、一層厳しい基調判断を示しております。また、先行きにつきましても、世界的な金融危機の深刻化や世界景気の一層の下振れ懸念、株式・為替市場の大幅な変動から、雇用情勢などを含め、景気の状況がさらに厳しいものとなるリスクが存在すると警戒感を示しております。  このような中、平成21年3月期の企業収益見通しは、議員お話しのとおり、最近になって減益幅が大幅に拡大しておりますし、本県の主力企業の中には、全産業の集計値を大きく上回る減益予想をしているものも少なくありません。  そこで、平成20年度の県税収入見通しでございますが、まず、法人二税につきましては、20年9月中間期の申告実績の取りまとめが12月半ばとなりますので、現時点で確たることは申し上げられませんが、こうした経済情勢や企業収益の動向を見る限り、これまで以上に厳しい状況になるものと見ております。また、国内景気の悪化から、消費が冷え込めば、消費関連税目でもさらなる落ち込みが見込まれますことから、県税収入全体としては、9月に200億円を超える減収としたものから、さらに減収幅が大きく拡大することは確実であると見ております。  いずれにいたしましても、平成20年度の県税収入につきましては、日増しに悪化しております経済情勢や税収動向などを十分に踏まえまして、詳細な分析を行った上で、的確に把握してまいります。  次に、厳しい税収環境下での県税の徴収対策についてのお尋ねがありました。  県政運営の財政基盤である県税につきましては、適正かつ公平な課税徴収を行い、財源の確保を図ることが何よりも重要であります。とりわけ、現状のように厳しい税収状況におきましては、そうした負担の公平という意識をより一層強く持ち、税収確保に最大限の努力をしていく必要がございます。  そこで、これまでの取り組みを一層強化するため、9月に政策部長を本部長とする「税収確保推進対策本部」を設置いたしまして、県税事務所ごとにそれぞれの所管地域の実情に応じた重点的な取り組みを実施することといたしました。  具体的には、適正課税を推進するために、法人事業税等に係る調査・検査の充実強化や早期課税の促進、徴収面では納付率向上を図るため、チーム編成による集中的な滞納整理のほか、動産や自動車など、差し押さえ処分を促進するといった取り組みを行っております。  また、税源移譲に伴いまして、個人県民税の収入未済額が増加しておりますので、市町村への職員派遣や合同滞納整理のほか、徴収事務についての巡回相談や研修を充実するなど、市町村との連携を深め、収入未済額の圧縮に向けて取り組んでいるところでございます。  このような取り組みを実施しておりますが、景気が悪化している中で、納税資金に窮している方もいらっしゃいますので、納税者お一人お一人の状況に応じた対応もさせていただきながら、税収確保に全力を挙げて取り組んでまいります。  次に、現時点での平成21年度の財源不足への対応と今後数年間の財源不足を視野に入れた取り組みについてのお尋ねがありました。  まず、平成21年度の財源不足1,350億円への対応でございます。  現在、来年度の予算編成作業を進めているところでありますが、残念ながら、この財源不足を圧縮・解消するめどは依然として立っておりません。そればかりか、今般の世界的な金融危機の深刻化や景気の後退から、県税のさらなる減収が確実なため、財源不足の一層の拡大を覚悟しなければならない状況でございます。  そうした中にありましても、県民ニーズや県政が直面する課題にはしっかり対応していかなければなりませんので、事業の選択と集中をさらに厳しく行うとともに、緊急財政対策プロジェクトチームで決定した新規建設事業等の着手見送りを初めとした歳出抑制策や、県有施設や未利用地の売却促進などの歳入確保の具現化に向けて、全庁一丸となって努力しているところであります。  しかしながら、今回の財源不足はこうした自己努力だけでは到底穴埋めすることができない巨額なものであり、そもそもそうした状況の大きな要因としては、税収が減収した場合でも財源が保障される地方財政制度が十分に機能していないことがございます。  そこで、法人二税の割合が高く、本県と同様の状況にあります愛知県や大阪府と連携いたしまして、21年度に向けて国において適切な地方財政措置を講ずるよう、近々、総理大臣、総務大臣、財務大臣に対して緊急要望を行ってまいります。  なお、今後も数年間は危機的な財政状況が続くことを覚悟せざるを得ませんので、施策・事業の見直しはもとより、中期的な視点から「行政システム改革基本方針」に示した組織執行体制の見直しや財政基盤の強化に向けた取り組みなどをより一層加速してまいります。また、国に対しても、地方の事務と責任に見合った税源移譲など、地方分権型社会にふさわしい地方税財政制度の構築を強く要望してまいります。  いずれにいたしましても、この難局を何としても乗り切るために、私以下職員が一丸となり、持てる力を結集して取り組んでまいりますので、議会の皆様のご協力もよろしくお願い申し上げます。  次に、「神奈川県自治基本条例」に盛り込まれている県民投票の具体的な制度化についてお尋ねがございました。  我が国の地方自治制度は間接民主制を採用しており、県民の代表である議会の皆様との議論を踏まえた県政運営に取り組んでいくことが基本でございますが、課題によりましては、県民の皆様の多様な意見を直接伺うことも必要と考えております。  そこで、本県では、これまでパブリックコメントやふれあいミーティングなどの広聴手段により、県民の皆様からの幅広いご意見も伺ってまいりました。  こうした中、地方分権改革が進展し、市町村の行財政基盤の充実が図られてまいりますと、県としてのあり方自体が問われるような道州制の問題など、県民生活にとって極めて重要な影響を及ぼす案件が生じてくることも想定されます。  そこで、こうした県全体にかかわる重要な案件については、県民の総意を直接確認することも分権型社会において大切であるとの考えから、自治基本条例に県民投票を位置づけようとするものであります。  しかしながら、県民投票の制度化に当たりましては、既に制定されている基礎自治体における住民投票制度の場合と同様、投票資格や投票対象など、さまざまな論点があるところであります。また、県における県民投票の実施に際しては、広域自治体特有の課題として、議員からも何点かご指摘をいただきましたが、県内すべての市町村の協力を仰がなければならないといった課題もございます。  こうしたことから、県民投票の具体的な制度設計に当たりましては、今後、議会の皆様を初め、県民や市町村の方々のご意見、ご要望を十分に伺いながら、慎重に検討をしてまいります。  次に、市町村との協議体制の整備についてのお尋ねをいただきました。  県では、これまでも市町村にかかわりのある政策づくりに当たっては、関係する市町村から意見を伺い、必要な調整を図るなど、県政への市町村参加を積極的に進めてまいりました。  しかし、市町村から意見聴取するかどうかの明確な定めはなく、その方法も統一的な取り扱いがなされていなかったことから、このたびの自治基本条例案に市町村の県政参加を位置づけ、特に重要な市町村にかかわる県の政策について、市町村と協議する体制を整備することといたしました。これによりまして、県と市町村との協議が制度的にも保障され、県の政策決定のプロセスに市町村の意思を反映させる仕組みが構築できるものと考えております。  協議体制の仕組みにつきましては、現在、市町村の意見も伺いながら検討を進めているところでありますが、県内すべての市町村の行財政に大きな影響を及ぼす事項を対象に、まずは文書協議を行い、その結果に応じて私と市町村長とが直接協議することを想定しております。なお、市町村からは会議に屋上屋を重ねないようにとのご意見もあることから、既存の会議とのすみ分けを明確にするとともに、市町村の負担とならないような運営にも配慮してまいります。  市町村とより一層協調しながら県政を運営していく上で、市町村の県政参加は大変重要であると考えておりますので、今後さらに市町村の意見もお聞きしながら、来年度から運用できるよう実効性のある仕組みを構築してまいります。  次に、地球温暖化対策について2点お尋ねをいただきました。  最初に、「地球温暖化対策推進条例(仮称)」で、県が策定することとしている地球温暖化対策計画における市町村との連携や整合についてのご質問でございます。  市町村は県民にとって最も身近な自治体であり、その施策や計画との連携や整合を図っていくことは、本県の温暖化対策を実効性あるものとしていく上で大変重要なことであると認識しています。本県の地球温暖化対策は、すべての主体による取り組みの推進、各主体相互の連携・協働、神奈川の先進性、優位性の活用という三つの考え方を基本に推進してまいりたいと考えており、市町村との連携・協働についても、今回の条例の中にもしっかりと規定してまいります。  また、地球温暖化対策推進法に基づき、現在、横浜、川崎、小田原など七つの市が既に地域推進計画を策定しておりますが、本年6月の法改正により、これらの市においては、計画の位置づけや内容の見直しが求められることになりました。  そこで、本県といたしましても、市町村の計画の見直しの機会も生かすとともに、県の地球温暖化対策計画の検討段階に市町村からも参加いただき、県・市町村双方の施策の連携や整合を図ってまいりたいと考えております。  また、本県の新たな地球温暖化対策計画には、ポスト京都議定書も見据えた削減目標とともに、太陽光発電など新エネルギーの利用や、県民、事業者による温暖化対策を促進するための施策などを盛り込んでまいりたいと考えております。  これらの計画の内容面においても、普及啓発や環境教育など、特に県民生活に密着した施策については、市町村との役割分担や連携を図り、効果的・効率的な温暖化対策の推進に努めてまいります。  次に、家庭部門におけるCO2排出量削減の取り組みについてのご質問であります。  本県の家庭部門のCO2排出量は、2006年の速報値で1990年比で20.7%の増と、国同様大きな伸びを示しており、本県としても、その削減は大きな課題の一つであると認識しています。この背景としては、人口や世帯数の増加のほか、家電製品の大型化や多様化など、家庭生活が快適性、利便性を優先し、より多くのエネルギーを消費するライフスタイルへと変化していることが考えられます。  こうした家庭部門のCO2削減のためには、まず県民一人一人がきめ細かい節電など、みずからのライフスタイルを見直す取り組みを行うことが大切であり、「クールネッサンス宣言」のプロジェクトを推進しております。  この取り組みを進めるためには、県民に身近な市町村の役割が大きいわけですが、本県としても、市町村と連携しつつ、環境配慮行動の実践を促すマイアジェンダ登録の普及やインターネット版環境家計簿「エコボ」によるCO2の「見える化」などを進めているところであります。  さらに、ライフスタイルの見直しの象徴的な取り組みとして、メーカーや家電量販店等のご協力を得て、白熱球から電球形蛍光灯への切りかえを進める「NO白熱球プロジェクト」を展開しています。  また、こうした県民一人一人の地道な取り組みに加え、新しい技術や新エネルギーの家庭への導入・普及も不可欠であります。そこで、本県では、家庭におけるCO2削減効果が大きく期待できる新技術として、全国に先駆けて「EVイニシアチブかながわ」により、電気自動車の普及を促進するとともに、国や市町村と連携した住宅用太陽光発電への補助制度の創設に向けた検討を進めております。  今後とも、市町村と連携し、温暖化防止に向けた行動を粘り強く県民に訴え、意識改革、行動変革を促すとともに、家庭への新エネルギー等の導入の環境整備に努めてまいります。  次に、森林の保全・再生についてのお尋ねをいただきました。  丹沢大山を中心とした本県の森林は、県民の生活を支える貴重な水源であり、森林の保全・再生は県民全体にかかわる重要な課題であると認識しています。  森林の再生には長い年月が必要であり、これを効果的に進めていくためには、多くの関係者が共通の目標をもって連携していくことが重要であることから、本県の森林の50年後の目指す姿と再生の方向を示す「かながわ森林再生50年構想」を取りまとめました。  県では、この構想に沿って、ダム上流域を中心とした広域的な水源林の整備を進めておりますが、地域固有の水源林の整備を進めている市町村や本県の森林の約1割を占める国有林を管理している国においても、この構想を踏まえた森林整備を進めていただいております。  また、これらの事業を進めるために、水源環境保全税により、安定的な財源を確保するとともに、林業労働力の確保や技術力の向上、あるいは高性能林業機械の導入などについても県が主導的な役割を果たし、効率的な森林整備の促進を図ってまいります。  次に、神奈川らしさを生かした全国植樹祭の取り組みについてであります。  平成22年春に開催する全国植樹祭については、本県の森林再生の取り組みを県民に広く理解していただくことをねらいの一つとしております。  そこで、県内外からの参加者による植樹行事についても、本県の森林づくりの象徴としてふさわしい混交林へと転換する場所で行うとともに、開催後はその場所一帯を本県の森林づくりのモデルとして県民の皆様にごらんいただけるように整備してまいります。  また、準備の段階から多くの都市住民の皆さんにも参加を呼びかけ、県民との協働の輪を広げていくとともに、県内に11カ所という、これまでに例のない多くのサテライト会場を設置し、県全体が全国植樹祭のステージとなるように努めてまいります。  次に、都市型豪雨対策についてのお尋ねをいただきました。  初めに、「都市河川重点整備計画」の見直しについてであります。  県では、過去の大雨で水害が発生した河川や都市化の進展が著しい河川をこの計画に位置づけ、重点的に整備してまいりましたが、河道の整備率が8割を超え、目標年次である平成22年が間近となったことから、現在、見直し作業を進めているところでございます。  見直しの具体例として、柏尾川については、時間雨量50ミリメートルに対応した改修のめどが立ちましたので、整備目標を一段高め、おおむね60ミリメートルに対応できる整備に取り組むこととしております。また、境川の大和市から河口までの区間と、引地川は市街化率が高く、浸水した場合の被害が甚大であることから、整備目標をおおむね時間雨量60ミリメートルに高める方向で検討を進めております。  このように各河川の整備の進捗や浸水被害の状況を踏まえ、計画の対象とする河川や区間の選択と集中を図るとともに、整備目標などについて検討し、計画全体を見直してまいります。  次に、気候変動に対応した流域対策についてでございます。  これまでも鶴見川や境川などでは、河川の整備だけでなく、流域内の公共施設に雨水貯留浸透施設を整備するといった流域対策をあわせ、総合的な治水対策を進めてきましたが、局地的かつ短時間の豪雨が頻発する中で、本年8月には県内でも多数の浸水被害が発生いたしました。  浸水の原因を見ますと、河川から水があふれたケースだけではなく、低地に雨水が滞留したケースも多く、こうしたいわゆる内水被害に対しては、低地に排水ポンプ施設や雨水貯留施設を下水道事業により整備することが有効であります。  そこで、今後は、県の河川事業と市町村の下水道事業などとの一層の連携を図り、適切な役割分担のもとで、従来の流域対策に加え、低地の浸水被害を軽減する対策に積極的に取り組んでまいります。  次に、農業者と商工業者との連携についてのお尋ねをいただきました。  農業者と商工業者とが連携して、地域産品の販売促進や新商品の開発などに取り組むことは、県内農産物の需要を喚起し、農業の活性化を図る上で非常に有効な手段であると考えております。そのため、農地や担い手の減少、耕作放棄地の増加など、農業を取り巻くさまざまな課題への対応とあわせ、今後は商工業者との連携による販路開拓などにも力を入れてまいります。  幸いにして、本県は野菜、果樹、畜産物など、多彩な農産物が大消費地のすぐ近くで生産されておりますし、商店、飲食店、加工業者、旅行業者など、多種多様な商工業者の皆さんがおられ、農業者と商工業者とが連携しやすい環境がございます。この恵まれた環境を生かすことによって、例えば、新鮮な野菜を速やかに流通に乗せることや、消費者の生活様式、家族構成などに対応した農産物の商品化、さらには農作業体験などを観光資源として活用するなど、本県農業の新たな展開の可能性があるものと考えております。  本県としては、これまでも菓子業者とお茶の農家が連携して、足柄茶を使った洋菓子の製品化や、三浦野菜の収穫体験を盛り込んだツアー企画などに取り組んでおります。また、つい先日には、茶の生産者団体と飲料メーカーとの連携により、足柄茶の紙パック製品が商品化され、これによって県内の学校給食で足柄茶を使ってもらえるようになるなど、展開の幅が広がりつつあります。  本県としては、食の安全に対する県民の関心の高まりにこたえるべく、今まで以上に地産地消を推進したいと考えており、そのためにも地の利を生かしたさまざまな商工業者との連携に努め、農業の活性化につなげてまいります。  次に、いわゆる「山静神サミット」の今後の取り組みについてのお尋ねでございます。  議員のお話にもございましたが、富士箱根伊豆地域は1990年代半ばをピークに人口が減少してきており、全国平均を上回るスピードで高齢化も進んでおります。この地域が将来にわたり、活力ある地域となるためには、地域の持つ多彩な資源を最大限に生かして魅力を高め、来訪者をふやすとともに、さらに定住に結びつけていくという視点が大変重要であります。  そして、そのためには、この地域の活性化対策のかなめである観光振興を初め、安全・安心の確保のための防災対策や環境対策などの課題に、地域が一体となって取り組んでいく必要があります。  そこで、山梨、静岡、神奈川の3県では、平成18年から開催しております山静神サミットで協議を行いまして、3県合同での不法投棄防止一斉パトロールや、3県知事による上海での観光プロモーションなどを行ってまいりました。また、今年のサミットでも、本県提案による富士山火山防災対策に関する協定の締結について合意するなど、3県一体となった取り組みを進めているところでございます。  今後も、こうしたさまざまな取り組みを着実に進めていく必要がございますので、この地域の将来像とその実現に向けた具体の施策から成る「(仮称)富士箱根伊豆交流圏構想」を次回のサミットを目途に3県で共同して取りまとめ、連携をより強固なものにしてまいりたいと考えております。  また、この構想につきましては、現在、国で検討しております国土形成計画、広域地方計画の中の地域戦略プロジェクトとしても位置づけられるよう国と調整を行っているところであります。  こうした3県共同の取り組みにより、この地域の価値を高めるとともに、豊かな暮らしが実感できる魅力ある地域づくりを進めてまいります。  最後に、山梨県、静岡県との連携による県西地域の観光振興施策についてのお尋ねがありました。  県西地域は箱根湯河原を中心とした温泉資源や日本を代表する富士山を望む景観、清流や湖、花の名所、小田原の水産加工品など、多様な観光資源に恵まれております。この地域の観光振興を考えるに当たっては、こうした多様な資源をネットワーク化し、回遊性を高めるとともに、体験交流プログラムの開発などを進め、滞在型の観光を推進していく必要があります。  国においては、本年10月に観光庁を設置し、観光客の来訪と滞在を促進するため、複数の観光地をネットワーク化する観光圏整備を推進しておりますので、県西地域においても山梨県、静岡県との連携も視野に入れた広域での観光圏の整備が当面の重要なテーマでございます。  また、富士山静岡空港の開港や羽田空港の再拡張・国際化などの動向を踏まえますと、両県との連携は県西地域の観光振興において、今後ますます有効な取り組みとなってまいります。  そこで、山静神サミットで合意した富士山ライジングプロジェクトの一環として、来年1月から2月にかけて、富士山静岡空港からの就航先となる北海道札幌と九州福岡において3県共同で観光プロモーションを実施するなど、具体的な事業に取り組んでまいります。  県では、仮称ではありますが、平成21年度の「観光振興条例」の制定を目指し、現在、観光産業に関する基礎調査を実施しているところですが、多くの宿泊観光客が訪れる箱根町においても、来年度、観光に関する条例の制定に取り組むと伺っております。  こうした条例制定を契機として、山梨・静岡両県との連携強化を念頭に、県西地域の市町との役割分担のもとで、地域の活性化に向けた観光振興施策を展開し、国内外からちの観光客誘致をこれまで以上に強化してまいります。  私からの答弁は以上でございます。〔教育長(山本正人)発言の許可を求む〕 ○議長(榎本与助) 山本教育長。 ◎教育長(山本正人) 教育関係についてお答えいたします。  初めに、武道の学習についてお尋ねがございました。  まず、武道の意義についてでございますが、武道は日本の伝統と文化のすばらしさを理解するとともに、相手を尊重することや礼節を重んじる態度を身につける上で大変有効であり、ルールやマナーを守るといった規範意識を醸成する上でも大いに効果が期待できますので、武道の学習をより一層充実していく必要があると考えております。  次に、武道学習における設備等の整備と指導者の確保についてでございます。  まず、設備等の整備につきましては、設置者である市町村教育委員会が実施するものでございますが、県内の中学校の中には設備面で課題を持つ学校があると聞いておりますので、市町村教育委員会と連携し、武道の必修化に必要な予算確保に向け、国へ強く働きかけてまいります。  また、指導者の確保につきましては、必修化に向けての最大の課題であると考えております。今年度から教員に対する武道研修において、基本的な指導法をより重点的に取り扱うよう見直すとともに、今後、大幅にふえる新規教員採用者の研修において、武道の実技講習を入れるなど、指導力の向上に向け、研修の一層の充実を図っているところでございます。  また、議員からもお話ありましたように、県警察の退職職員や地域の武道団体の方々に武道の指導にかかわっていただくことは、生徒がより深く武道を学ぶ大切な機会になりますので、今後も市町村教育委員会とともに、関係機関等に協力を働きかけてまいります。  こうした取り組みを通じて、平成24年度からの中学校における武道の必修化が円滑に実施されるよう努めてまいります。  次に、伝統文化の習得に関するお尋ねがございました。  郷土の伝統文化を深め、尊重する態度を身につける教育を充実することは、大変意義あることと受けとめております。  お話にございました二宮尊徳翁につきましては、県が小学校向けに作成した冊子「わたしたちの神奈川県」の中で、本県ゆかりの偉人の一人として取り上げるとともに、地元小田原市におきましては、独自に副読本を作成し、市内のすべての小学校の授業で学習をしております。  このほかにも、県内の小中学校におきましては、地元の郷土資料館を訪ねて、昔の暮らしを学んだり、郷土料理について学習したりするなどの取り組みを実施しております。また、ある県立高校では、総合的な学習の時間で、1、2年生全員が茶道を体験し、来年度には茶道を学校設定科目として設置することとしております。さらに、中学校、高校の部活動においても、和太鼓や人形芝居等、伝統芸能の継承に力を入れて取り組む学校がふえております。  そうした中、新しい学習指導要領におきましても、武道の必修化に加え、中学の音楽で「赤とんぼ」や「荒城の月」など、世代を越えて歌える歌が復活したり、地域の伝統芸能が重視されるなど、これまで以上に伝統や文化に関する教育の充実が図られております。  そこで、県教育委員会といたしましては、市町村教育委員会や関係部局と連携して、各学校が地域の伝統や文化に着目し、教育活動に生かすことができるよう、各地域のさまざまな取り組みの情報提供や地元の方々と連携した取り組みへの一層の支援に努めてまいります。  最後に、神田高校の入学者選抜についてお尋ねがございました。  初めに、このたびの件では関係の生徒や保護者の方々を初め、県民の皆様に多大なご迷惑、ご心配をおかけしましたことにつきまして、深くおわびを申し上げます。  特に、入学できなかった方々につきましては、大変申しわけなく思っており、今後、誠実に丁寧に対応してまいります。  神田高校におきましては、これまで生徒指導上のさまざまな課題解決に向け、保護者や地域と連携しながら、教職員一丸となって徹底した指導に取り組み、成果を上げており、保護者や地域の皆様からも一定の評価をいただいていたと受けとめております。  しかし、今回の入学者選抜は事前に公表されている選考基準以外の基準を使って選考を行ったものであり、まことに残念で遺憾なことであると考えております。  県教育委員会といたしましては、受験生の態度や意欲などを重視した選考を行う場合には、選考基準に明確に記載していくよう学校への指導を行うとともに、ルールに違反した選考が他の高校でも行われていないかを確認するため、外部の有識者にも入っていただき、全校を対象に調査を実施し、適正に選考されていることを確認をいたしました。  今後の対応でございますが、再発防止策とともに、各学校ごとの選考基準を含め、選抜制度全般につきまして、関係者のご意見をお聞きしながら、よりわかりやすい制度となりますよう検討してまいりたいと考えております。  また、神田高校と五領ヶ台高校を再編統合する平塚湘風高校が11月1日に設置され、現在、来年4月の開校に向け、新たな体制のもとで準備を進めております。県教育委員会といたしましても、これまでの両校の熱心な取り組みや特色ある教育活動が新校に引き継がれ、生徒や保護者のご期待に十分こたえられるよう、今後もしっかりと支援をしてまいります。  以上でございます。〔磯貝捷彦議員発言の許可を求む〕 ○議長(榎本与助) 磯貝捷彦君。 ◆磯貝捷彦議員 自席からの発言をお許しいただきたいと思います。  いろいろお伺いしたいところでございますが、時間等の制約がございますので、それらについては各常任委員会で行うことにして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。 ○議長(榎本与助) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(榎本与助) ご異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は15分後といたします。                  午後2時41分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-平成20年12定-20081204-026510-質問・答弁-安藤慶議員-代表質問①経済問題について②神奈川県自治基本条例について③神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例について④食の安全・安心推進条例について⑤全国植樹祭について⑥神奈川県犯罪被害者等支援条例について⑦第三セクター等の指導について》                   午後3時4分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共74名 ○副議長(川上賢治) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(川上賢治) あらかじめ時間の延長をいたします。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(川上賢治) 質問を続行いたします。  安藤 慶君。〔安藤 慶議員登壇〕(拍手) ◆安藤慶議員 議長のお許しをいただきましたので、私は民主党・かながわクラブ県議団を代表して、通告に従い、提言を交えながら順次質問させていただきます。  知事並びに警察本部長におかれましては、明快なご答弁をよろしくお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、ご清聴をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。  質問の第1は、経済問題についてです。  初めに、平成21年度の税収動向について伺います。  最近の経済情勢の激変はまさに歴史的なものであり、その影響の大きさを目の当たりにしまして、経済政策のかじ取りの重要さと、その困難さを改めて痛感しているところであります。  昨年夏の米国サブプライムローン問題に端を発し、投機マネーが原油・原材料に流入し、たちまち自動車産業や食品産業、そして農林水産業を直撃し、消費者にも大きな影響を及ぼしました。また、世界的な金融不安は世界同時株安を引き起こし、巨大産業まで存続の危機に瀕しております。我が国でも企業収益の大幅な悪化が顕著となっており、期間従業員の圧縮や倒産件数の増加など、雇用情勢にも深刻な影響を与えているところです。  今回の危機は、最近の経済指標や企業の業績予測を見ても、そのスピードと規模において、かつて経験したことのないものではないかと考えております。このような状況は本県経済にも深刻な影響を及ぼしており、特に、円高と株安により、自動車、電機など本県の基幹産業が直撃を受け、関連する県内中小企業へ深刻な影響を与えております。そして、本県の基幹的歳入である県税収入もこうした影響は避けられず、10月の予算編成方針に示された本年度当初予算を1,300億円下回るという平成21年度の県税収入の見通しは、現時点でさらに厳しくなっているものと考えております。  そこで、知事に伺います。  こうした経済情勢を踏まえ、現段階における21年度の税収動向について、どのような認識を持っているのか、知事のご所見を伺います。  次に、緊急財政対策としての行政システム改革の取り組みについてお伺いします。  県では、危機的な財政状況に直面している中にあって、いち早く行政システム改革推進本部の下に「緊急財政対策プロジェクトチーム」を設置し、施策・事業や組織・執行体制の見直し、内部管理経費の節減などによる歳出の抑制と、県有財産の有効活用や使用料の見直しなどによる財源確保に、全庁を挙げて取り組んでいることは承知しております。  しかしながら、最近、発表されている経済指標は深刻化の度合いを増しており、また、景気動向の影響を受けやすい本県の税収構造を考慮すると、当面の対策だけではなく、ある程度、中期的な視点をもって行政システム改革に取り組むことが大変重要であります。  そういった観点から、組織・執行体制の見直しにおいて、特に出先機関の見直しに改めて本腰を入れて取り組む必要があるのではないかと考えております。出先機関は、それぞれの地域の住民生活や事業活動に密着した業務を担っており、また、市町村からも、身近な場所に県の組織が置かれていることは安心感があるといった話も聞いております。  したがいまして、今後とも、出先機関は適切に配置していく必要はありますが、出先機関の整理・縮小による組織のスリム化は、職員数の削減に伴う人件費の抑制や庁舎管理等の経費の節減につながり、歳出の抑制効果は大きいと思いますので、今後の危機的な財政状況を考慮すると、英断をもって見直しに取り組むことが求められていると考えます。また、地方分権改革の進展に伴い、市町村への権限移譲が進むと、出先機関の機能も見直す必要が生じてまいります。  そこで、知事に伺います。  危機的な財政状況を考慮すると、緊急財政対策の取り組みにおいて、特に出先機関の見直しによる組織のスリム化を断行せざるを得ないと考えますが、今後どのような方向で検討を進めていくのか伺います。  次に、緊急経済対策連絡協議会について伺います。  さきにも申し述べたとおり、米国のサブプライムローン問題に端を発する世界的金融不安により、世界的な株価の低迷による企業収益の悪化や、円高の進行による輸出関連産業への打撃など、県内の経済情勢は極めて厳しい環境に直面しており、県内事業者の悲痛な声を毎日のように伺っております。このような状況が長期化・深刻化していくことが大変懸念されるところであります。  こうした状況のもとで、県は10月24日に緊急経済対策を決定し、対策のより効果的な推進を図るため、地域の関係機関・団体から構成される「神奈川県緊急経済対策連絡協議会」を設置しました。ここでは、景気動向や雇用状況の把握など、また、中小企業の金融対策、雇用対策を初めとする地域の緊急経済対策の推進方策に関することを協議し、効果的な緊急経済対策の推進を図るものとしています。  初会合において、知事は「情報をすべて出し合って経済対策の最適化を図りたい」と述べられ、地域の行政機関、金融機関、産業界及び労働界等、多方面との連携を強めていくとの意向が示されたところです。厳しい状況ではありますが、これを逆にチャンスととらえ、今こそ、神奈川が潜在的に持つ力、すなわち神奈川力をさらに大きく引き出すときではないでしょうか。  そこで、知事に伺います。  このように、地域の関係機関・団体の代表者が一堂に会し、直接意見を聞く場を設定することは画期的なことであり、実効性のある対策を速やかに実施するためには大変有効な手段であると考えますが、今後、この協議会をどのように活用していくつもりなのか、お伺いいたします。  質問の第2は、「神奈川県自治基本条例」についてです。  平成16年3月に策定された「地域主権実現のための中期方針」に、自治基本条例の研究を掲げて以来、これまで5年に及ぶ議論が行われ、ようやく自治体の憲法とも称される条例案が具体化されました。これまで自治基本条例は基礎自治体以外には制定例がありませんでしたが、これはまちづくりへの住民参加を主要な目的としており、どちらかと言えば、自治基本条例は市町村がつくるべき条例であって、都道府県にとっては必要性の乏しい条例との受けとめ方をされることもありました。  しかし、地方分権改革が進展してまいりますと、改革の目的が団体自治の充実・拡充にとどまるのではなく、むしろ住民自治の確立にこそ、本来の目的があるということが次第に住民の間でも認識されるようになりました。こうしたことから、分権改革の進展に伴い、多くの自治体で自治基本条例の制定がなされてきたのではないでしょうか。  平成12年4月に地方分権一括法が施行されて以降、北海道のニセコ町を皮切りに、自治基本条例の制定が相次ぎ、今では全国で100を超える自治体で制定されておりますし、さらにまた、多くの自治体で条例化に向けた検討がなされていると聞いております。加えて、条例制定権の拡大に向けた取り組みが、自治基本条例の制定を加速化させる要因になっているのではないかと考えています。  いずれにしても、地方分権改革は、国と地方の役割分担を明確にして、国から地方への権限と財源の移譲を図り、自己決定・自己責任の原則のもと、地域主権型社会の実現を目指していくものととらえておりますので、住民自治の確立を図るために自治基本条例を策定するのは、このような分権改革を後押しするものと理解しているところであります。  一方、分権改革の究極的な姿が道州制であるとの見解もあります。しかし、道州制には、いまだはっきりとした定義はありません。一般的には、現在の都道府県よりもサイズが大きく広い自立した地方自治体であり、いわば、自治権が確立した地方政府であると認識いたしております。したがいまして、道州制は、行政、立法、財政の決定権限と責任を有する、いわゆる完全自治体として、今後の新たな地方制度の選択肢として議論されているところであります。  ただし、これまで道州制の議論は、大きく二つの立場からの主張がありました。それは、国の財政再建にくみする中央集権型の道州制論と、住民が主人公になる地方分権型の道州制論であります。もちろん、この二つの議論だけに終始するものではありませんが、いわば論戦の代表例であります。ここで留意したいのは、二つの議論に共通しているのは、道州制は権力の統治にかかわる制度でありますので、広域自治体として制度設計を行うに当たっては、団体自治と住民自治のあり方が問われてくるものと考えております。中でも、住民自治の観点から申し上げますと、地方分権型道州制を実現するには、道州の行政運営に対する住民参加がかぎとなってくるのではないでしょうか。また、広域自治体として制定する本県の自治基本条例との関係が問われてくるものと思います。  そこで、知事にお伺いします。  広域自治体が制定する自治基本条例については、地方分権改革と道州制への取り組みに対して、それぞれどのような影響を与えると考えているのか、知事のご所見をお伺いいたします。  質問の第3は、「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」についてです。  現在、県が検討を進めている受動喫煙防止条例については、マスコミで頻繁に報道され、県民や事業者の関心も高く、さまざまな議論が巻き起こっております。我が会派としては、受動喫煙による健康影響を防止することの重要性は理解をいたします。  健康増進法では、受動喫煙を防止する努力義務が課せられているものの、県が昨年実施した施設調査によれば、飲食店や娯楽施設では対策を実施していない施設が約6割にも上ることを踏まえると、条例制定という手段を用いてその目的を達成しようとしている知事の姿勢には賛意を示すものであります。また、こうした取り組みは、がん対策の充実強化につながるものでありますので、我が会派が知事に対する20年度の予算要望において、その実現を求めてきたところでもあります。  この条例についてのこれまでの検討経過でありますが、まず、4月には条例の基本的な考え方が公表されております。その段階では禁煙条例という名称で、不特定多数が利用する公共的施設は全面禁煙とする、相当に厳しい内容でありました。この基本的考え方についてパブリックコメントを実施するとともに、事業者、市町村などと意見交換を重ね、9月には条例の骨子案が示されました。  骨子案では、まず、名称について、仮称ではありますが、受動喫煙防止条例と改められ、飲食店やホテル・旅館などの施設については、その管理者が禁煙か分煙を選択できるとされ、また、すべての公共的施設に喫煙所を設置することが認められております。この骨子案についても、さらにパブリックコメントを実施し、また、さまざまな機会をとらえて、市町村や事業者などと意見交換をしていますが、そうした中で、特に小規模な飲食店では禁煙も分煙も難しいとか、喫煙の常連客や売り上げの減少を心配する声も出されており、課題も残されております。骨子案からは、まだ条例の全体像が見えていないので、より実のある議論をしていくためには、素案を早く示すとともに、具体的な規制の内容を明らかにする必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  条例の基本的考え方から骨子案、骨子案から素案をまとめるに当たって、議会、県民、事業者などと、いわば意見のキャッチボールをしながら取り組んでいきたいと知事は述べておりますが、現在策定中の素案は、骨子案発表後の議論を踏まえて、どのような観点からまとめようとしているのか、お伺いいたします。  質問の第4は、「食の安全・安心推進条例」についてです。  まず、規制措置のねらいについて伺います。  昨年から今日に至るまで、食品の原産地や消費期限といった表示を偽装する事件が相次ぎ、また、本年初頭の中国産冷凍ギョウザによる健康被害事例に引き続き、清涼飲料水に農薬が混入した事件、さらに最近では、化学物質メラミンが混入した食品の流通問題、事故米の不正規流通問題、食品製造に使用した地下水から基準値を超えるシアン化物が検出された問題と、食の安全・安心を脅かす事件が次々と報じられております。  特に事故米の不正規流通問題では、農林水産省が輸入し、民間事業者に工業用に売却された、いわゆる事故米が工業用原料として使用されず、食品原料として転売されていたという通常では考えられない事件であり、ましてや国が不正を発見できず、不正が発覚した後も流通実態の解明が進まないといった状況に対して、何とも歯がゆい思いをしたのは私だけではないと思います。  県では、これまでも食品衛生法、農薬取締法といったさまざまな法律の枠組みによって事業者を規制し、これらの法律に従って、農林水産物の生産から食品の消費に至る食の安全・安心の確保に向けて、さまざまな取り組みを進めてきたことは承知しております。  今回、県は、こうした従来からの取り組みに加えて、新たな条例の検討を進めているわけでありますが、パブリックコメントで示された条例の基本的な考え方を見ますと、県独自の規制を盛り込む方向で検討しているとのことですが、条例に規制を盛り込む以上、食の安全・安心の確保を求める県民の期待にこたえられるものでなければならないということは言うまでもありません。  そこで、知事に伺います。  現在検討を進めている条例において、食の安全・安心の確保に向けた規制措置については、どのようなねらいで盛り込もうと考えているのか、知事の所見をお伺いします。  次に、食品の検査について伺います。  去る10月24日の新聞報道によりますと、藤沢市内のスーパーで購入したカップめんを食べた県民が健康被害を訴えたとの申し出を受け、藤沢市保健所がカップめんを検査したところ防虫剤成分のパラジクロロベンゼンが検出され、また、このことを発端に横須賀市内のスーパーでも同様の防虫剤成分が検出されていたという事実が明らかになりました。この問題では、その後、神奈川県警の調査によって、防虫剤成分は外部からの混入ではなく、移り香の可能性が高いとの報道があり、原因がわかって安心する一方で、流通の途中や消費者においても、食品の保管といった取り扱いには十分注意する必要があるということを再認識させられる事例でありました。  このような事件性が疑われたような事例は別にしても、県民が毎日食べている食品の安全性については、やはり行政がしっかりと検査をし、確認をしていく必要があると思うのであります。  先ごろ、食育・食の安全推進特別委員会では、厚生労働省横浜検疫所の輸入食品・検疫検査センターを視察に行きましたが、この検査センターでは、海外から輸入される食品の安全性を確保するため、食品中に残留する農薬や動物用医薬品、カドミウムといった有害物質、遺伝子組み換え食品などさまざまな検査が行われ、違反輸入食品の摘発が行われておりました。  また、国の食品衛生監視の体制を聞いたところ、全国13の検疫所に配置されている食品衛生監視員の人数については、現在341名に対して、平成21年度には396名とするべく55名の増員要求を行い、強化する予定であるとのことでありました。  食料自給率がカロリーベースで40%を下回っている我が国の現状においては、国民、県民の食卓を輸入食品に頼らざるを得ない状況にあり、検疫所の検査や監視体制を強化していくことが、国民、県民の食の安全・安心の確保につながっていくことになると実感したところであります。  しかしながら、いくら検疫所が水際の検査を強化したとしても、我が国に輸入される膨大な食品すべてを検査することは不可能なことも事実であります。そのため、国内に流通している輸入食品や国産の食品については、全国の都道府県や保健所設置市が抜き取り検査を行い、安全性を確保するという役割分担になっていることは承知しております。  こうした国や保健所設置市との役割分担のもとで、本県においても食品の検査を実施しておりますが、県民が求めている食の安全・安心は、突き詰めれば、自分や家族が食べる食品が安全なのかどうか、その点に集約されると考えます。そのため、県においては、こういった視点を忘れることなく、食品の安全性確保に向けた取り組みを強化し、実際に流通している食品をしっかりと検査していくことによって、食品の安全性に対する県民の信頼を回復していく必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  県は、食の安全・安心を求める県民の声にこたえるため、より一層、食品の安全性を確保するための検査を強化、充実していく必要があると考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。  質問の第5は、平成22年に本県において開催される全国植樹祭についてです。  まず、全国植樹祭に向けての機運の醸成と全国植樹祭を契機とした森林再生の取り組について伺います。  全国植樹祭につきましては、再来年春の開催に向けて、お手植え・植樹会場が設置される南足柄市及び、式典・植樹会場が設置される秦野市の協力も得ながら、準備を着実に進めているところであると思います。  お手植え会場となります南足柄市では、本年5月に第61回全国植樹祭南足柄市実行委員会を設立し、市民総ぐるみで全国植樹祭に向けた準備を進めていると伺っております。  また、私の地元であります秦野市におきましても、全国植樹祭を市民と行政が一体となって盛り上げていくため、本年2月に第61回全国植樹祭秦野市民推進会議を設立、また去年まで実施しておりました照葉樹の森づくり事業を充実・発展させ、秦野市植樹祭と改め、本年5月には第1回秦野市植樹祭を全国植樹祭の式典会場となる県立秦野戸川公園において開催いたしました。この植樹祭では秦野市民による植樹などを行い、全国植樹祭の周知と開催に向けた機運の醸成に取り組んでいるところであります。  全国植樹祭は、本県としては初めての開催となりますが、豊かな国土の基盤である森林・緑に対する国民的理解を深めるため、毎年行われる国土緑化運動の中心的な行事であり、県内外からの多くの招待者にお集まりをいただき、とり行われる全国規模のビッグイベントであります。  折しも、本県では昨年度から「かながわ水源環境保全・再生施策大綱」に基づく「かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」による特別対策をスタートさせ、森林再生の取り組みの加速化を図るとともに、「かながわ森林再生50年構想」を策定し、今後半世紀をかけて荒廃森林の解消と混交林の拡大を図るなど、森林の抜本的な再生に向けて取り組んでいることは承知しております。  このような背景の中で開催される全国植樹祭は、水源環境の保全・再生、森林再生の取り組みに対する県民の方々の参加と協力を高めていき、県民との協働による取り組みをさらに飛躍させるための大きなチャンスであると思います。このチャンスを生かすためには、全国植樹祭を単なる一過性のイベントに終わらせることなく、開催の準備段階から大会の実行、そして大会終了後の取り組みまでの各段階において、広く県民の方々の参加を求めていくことが重要であると考えます。そのためには、式典会場やお手植え会場が設置される県西部地域だけではなく、全県的な広がりを持った取り組みとして展開していくべきであると考えております。  そこで、知事に伺います。  全国植樹祭の開催に向けての機運を全県的に盛り上げていくために、どのように取り組んでいくのか、ご所見をお伺いいたします。また、全国植樹祭の開催を契機として森林再生の取り組みを強化し、全国植樹祭終了後も継続していくために、今後どのように取り組んでいくのか、あわせてお伺いいたします。  次に、全国植樹祭に係る警察本部の対応について伺います。  全国植樹祭では、両陛下はもちろん、農林水産大臣を初め、多数の来賓が来県することが予想されます。このようなビッグイベントが成功するか否かは、不法事案や事故がないということが重要な要素の一つであります。本県会場の特徴の一つとして、秦野市と南足柄市という、距離が離れた二つの会場において開催されるということがあります。ということは、会場周辺の警備や交通対策のみならず、それぞれの会場を結ぶ経路など、広範囲な対策が必要になると考えられ、治安のプロである県警に対応をお願いすることが多々あろうかと思うわけであります。  治安のプロと申しましたが、もちろん県警だけですべてができるわけでもなく、地元自治体、市民の協力は欠かせないものと考えております。この植樹祭を成功させようという地元の意気込みは大変なものがありますが、不法事案や事故をなくすためには何が必要か、どのようにしたらよいかということについては、やはり県警の持つノウハウに頼る必要があります。  県警には、全国植樹祭を成功させようと意気込む市民の協力をプロの立場から活用し、よりよい警備を行い、それがまた市民のやる気を出させるといった警備を行っていただきたいと思います。そのためには、地元自治体、市民に対し、何が必要か、どうしてほしいかを積極的に発信し、協力を求める必要があるのではないでしょうか。  具体的に申しますと、警備上必要な交通規制への協力や、警察官が移動する際に使用する車両の駐車場の供与などがあると思います。秦野市では、全国植樹祭を成功させるために、警備や交通対策の面における警察からの要請には可能な限り対応する考えでおり、早め早めの情報提供や要請をしていただきたいということです。県警には、地元自治体に情報を発信して双方向の協力関係を構築し、地元とタッグを組んで、この植樹祭を成功させてもらいたいと切に願っております。  そこで、警察本部長に伺います。  全国植樹祭の開催に際し、不法事案や事故がないということが重要でありますが、そのために、県や地元自治体との連携を含め、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。  質問の第6は、「神奈川県犯罪被害者等支援条例」についてです。  初めに、犯罪被害者等支援施策の推進について伺います。  ある日突然、犯罪の被害に遭われた方々は、生命を奪われ、傷害を負わされ、また、ご家族を失い、財産を奪われるといった、犯罪そのものによる被害に加え、被害後の精神的ショックや身体的不調、収入の途絶や医療費の負担などの経済的問題、また、被害直後の混乱状態の中で、捜査や裁判、さまざまな行政手続などに対応しなければならないということによる精神的負担など、多くの問題に苦しんでいます。さらには、周囲の配慮に欠けた対応や心ない言葉、好奇の目などによる深刻な精神的被害を受け、こうした周囲の無理解などにより、地域社会の中で孤立感に苦しめられることも少なくないと言われております。  このように、犯罪被害者の方々は、これまで大変厳しい状況に置かれてきたわけですが、こうした実態は社会的にも余り認識されてこず、加害者の権利がさまざまな制度で手厚く保護されてきたのに比べ、犯罪被害者の方々への支援は極めて不十分だったと言わざるを得ません。  こうした中で、本定例会に神奈川県犯罪被害者等支援条例が提案されたところでありますが、条例案では、この条例の目的として犯罪被害者等の受けた被害の早期回復及び軽減と犯罪被害者等を支える地域社会の形成を掲げております。そして、条例案には、経済的負担の軽減や弁護士等による相談体制の充実、日常生活の支援など、県として推進していく支援施策の基本的な方向性が幅広く規定されておりますが、こうした条例の規定に基づき、今後、犯罪被害者の方々が必要としているきめ細やかな支援施策の具体化を図り、より多くの被害者の方々に提供していくことが何よりも大切であります。条例を絵にかいたもちにすることなく、犯罪被害者の方々が必要としている支援施策の充実を図り、犯罪被害者支援を今まで以上に厚みのあるものにするとともに、そうした支援施策を着実に推進していっていただきたいと考えております。  そこで、知事に伺います。  今後、条例を踏まえて、具体的な犯罪被害者支援施策を着実に推進していくことが大変重要でありますが、こうした点を含めて、条例に基づく犯罪被害者支援の実効性をどのように確保していくのか、お伺いいたします。  次に、犯罪被害者の方々に対する支援の体制づくりについて伺います。  だれもが犯罪に巻き込まれてしまう可能性がある中で、本県において犯罪被害者等支援条例が制定され、犯罪被害者の方々に対するきめ細かい支援が今まで以上に充実していくことは大変重要なことであります。しかしながら、私は、こうしたさまざまな支援施策の充実が図られるだけでは、いまだ不十分であると考えております。犯罪被害者の方々は、突然犯罪の被害に遭い、心身に深い傷を負われ、また、ご家族を失うなど、大変厳しい状況に置かれています。このような状況にある犯罪被害者の方々が、被害直後の茫然自失状態の中で必要とするさまざまな支援を、みずから求めていくことは極めて難しいことが想像されます。犯罪被害者の方々への支援に当たっては、きめ細かい支援施策の充実とともに、必要とする支援がきちんと被害者の方々へ提供される体制づくりが何よりも大切であり、こうした支援体制があって初めて、条例の目的に掲げられている、犯罪被害者等の受けた被害の早期回復及び軽減が図られるのではないかと考えております。  県では、昨年6月に犯罪被害者等総合相談窓口を設置し、犯罪被害者の方々からの相談に応じて、情報や支援の提供を行っているものと承知しておりますが、今後こうした機能をさらに拡充し、警察や民間支援団体、そして犯罪被害者支援にかかわるさまざまな機関などとも連携しながら、被害者の方々が必要としているさまざまな支援を積極的に提供していく体制を早急に整備していくことが望まれるところであります。  そこで、知事に伺います。  条例案では、県と警察が民間支援団体と連携・協力して総合的支援体制を整備していくことを位置づけており、こうした支援体制の構築が大変重要であると考えておりますが、この総合的支援体制を今後どのように構築していこうと考えているのか、お伺いいたします。  質問の第7は、第三セクター等の指導についてです。  初めに、この12月1日から関連法が施行された公益法人制度改革について伺います。本県においても、平成19年10月末に「公益認定等審議会」が設置され、公益認定における判断基準等に関する議論が重ねられ、また、対象となる社団法人・財団法人に対して数回にわたる説明会が開催されるなど、制度導入に向けた準備が進められてきたところであります。  私は、円滑な導入、効果的な運用に向けて、平成19年6月定例会の予算委員会等において質問を行い、また折々に触れ、意見を述べさせていただいてまいりました。この公益法人制度改革の目的は、社団法人・財団法人といった民による公益の重要な担い手のより一層の発展を図るためのものであります。民法制定以来、初めての抜本的改革であり、社団法人・財団法人に大きな影響を及ぼすだけでなく、こうした法人に対する県のかかわりにも大きな影響を及ぼすこととなります。  今回の公益法人制度改革のポイントの一つは、従来の社団法人・財団法人が、法人の公益性の有無により、公益社団法人・公益財団法人、または一般の社団法人・財団法人に区分されることであります。法人の事業は、学術や慈善など公益に関する事業であって、不特定多数の者の利益の増進に寄与するかどうかといった視点から、ガイドラインに沿って公益目的事業かどうかに振り分けられ、法人の公益性が認定されるためには、そうした公益目的事業が法人の全事業の半分以上であることが求められています。現在ある社団法人・財団法人は、今後5年間のうちに、法人の公益性について認定を受けて公益社団法人・公益財団法人へ移行するか、一般の社団法人・財団法人に移行するか選択しなければなりません。あるいは、法人によっては、株式会社、NPO法人など、これまでと全く異なる法人形態を検討するケースも考えられます。  社団法人や財団法人の中には、県が運営費や事業費に財政的支援を行っている法人がありますが、その法人の公益性が認定されない、あるいは実施している事業について公益目的事業として認められないといった場合には、そうした財政的支援を見直さざるを得ないといったケースも生じてくると想定されます。今後の法人運営を大きく左右する問題であり、できるだけ早期に移行に向けた手続を進めるべきと思われますが、まだまだ各法人とも様子見の状況にあると思われます。  そこで、知事に伺います。  法人が早期の移行手続を進められるよう、県としても積極的な支援を行っていく必要があると思いますが、知事の所見をお伺いいたします。また、特に県とのかかわりが深い県主導第三セクターについては、他の法人に範を示す意味からも、率先して移行手続を進めるよう働きかけるべきだと思いますが、あわせて知事のご所見をお伺いいたします。  次に、県職員の法人役員の就任について伺います。  今回の制度改革のもう一つのポイントとして、法人統治、ガバナンスの視点から、執行体制として設置すべき機関、そしてその役割と責任が明確化されたことが挙げられております。法人の理事等の役員については、法人運営に関する執行責任者として位置づけられ、法人の運営にかかわる最終的な判断を行い、必要な指示を与えるとともに、きちんと業務が行われるよう取りはからうことが求められております。  これまでは、法人を指導する立場から、県職員が第三セクター等の非常勤役員に就任してきたと受けとめていますが、今後、そうした形での役員就任は見直しが必要と考えております。また、一方で、県が策定した「行政システム改革基本方針」においては、第三セクター等とは、対等の立場で協働・連携を目指し、その独立性を高めるよう県のかかわりを見直すこととしており、こうした視点からも、県職員の法人役員への就任は見直しが求められているところであります。  そこで、知事に伺います。  今回の公益法人制度改革関連法の施行を機に、県職員の法人役員への就任については見直す必要があると思いますが、どのように対応しようとしているのか、知事の所見をお伺いいたします。  次に、財団法人かながわ廃棄物処理事業団の経営問題について伺います。  かながわ廃棄物処理事業団は、国から県内で唯一、廃棄物処理法に基づく廃棄物処理センターに指定され、これまでもBSE発生時に感染のおそれのある牛の処理や、国が処理体制の整備を進めている低濃度PCBの焼却実証試験を行うとともに、県内の製造業や医療機関、建設業など、数多くの事業者との契約を結び、そこから持ち込まれる産業廃棄物を公共関与という信頼性、安全性のもと、適正に処理する役割を担っており、その公共性は十分認められるところであります。しかし、今後、県内には、民間事業者によるかながわクリーンセンターと同規模以上の産業廃棄物の中間処理施設の進出が、横浜市金沢区や鶴見区において予定されている中で、事業団の経営は厳しさが増すものと考えられます。  同事業団が運営するかながわクリーンセンターは、ここ数年、企業による廃棄物の発生抑制の取り組みや廃プラスチック類などが海外へ多く流出していることなど、産業廃棄物を取り巻く環境の変化により搬入量が減少し、処理事業収入が大きく落ち込んでおります。  現在、県及び横浜市、川崎市から、それぞれ年間1億3,800万円の負担金を支出していますが、現在の収支状況が続き、3公共団体からの負担金の増加等がない状態では、あと二、三年で資金繰りが極端に悪化する可能性があるなど、厳しい経営状態にあることが、平成19年度の包括外部監査などで指摘されているところであります。  このような厳しい状況の中で、収支を改善していくには、抜本的な経営改善が求められ、積極的な営業と思い切った経費の削減が不可欠であると思います。それには、まず経営改善計画をしっかり作成し、それに基づき計画を着実に実行していくとともに、経営状況を現実に即して、しっかり見守っていくことが重要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  今の経営改善計画案では、現状の年間搬入量3万8,000トンを確保するとともに、委託経費など大幅な経費削減に取り組むことで、収支の均衡を図ろうとしておりますが、この計画の実効性の確保について、どのようにお考えなのか、お伺いいたします。また、今後、経営改善計画を実施していく中で、その状況によっては、事業団のあり方を根本的に考えることも必要であると考えますが、これについてどのようにお考えなのか、あわせてお伺いいたします。  以上で、私の第1回目の質問を終了いたします。  ご清聴まことにありがとうございました。〔拍 手〕〔知事(松沢成文)発言の許可を求む〕 ○副議長(川上賢治) 松沢知事。〔知事(松沢成文)登壇〕
    ◎知事(松沢成文) 安藤議員のご質問に順次お答えいたします。  初めに、平成21年度の税収動向についてお尋ねをいただきました。  まず、税収動向を左右する経済情勢でございますが、金融危機の深刻化による世界経済の減速が国内景気にも悪影響を与えており、急激な株安と円高の同時進行という事態に至っております。また、最近の民間経済調査機関による来年度の実質経済成長率の予測は軒並みマイナスとなっており、日本経済は不振が長引き、早期回復が難しいとする見方が大勢を占めている状況にあります。  こうした中、平成21年度の税収動向でございますが、現在進行しております株安は金融資産の減少を招くだけでなく、景気そのものを冷え込ませる要因となりますし、円高は輸出産業を中心に企業収益を圧迫しますので、これらを反映する法人税収の大幅な落ち込みは避けられないものと受けとめております。  さらに、企業収益が減少することになれば、個人の雇用や所得環境が悪化することになり、個人の所得が減少すれば、消費はさらに冷え込み、結果として景気全体が負の連鎖に陥ることが想定されますので、法人税収はもとより、個人県民税や消費関連税目においても大きな影響が出てまいります。  したがいまして、このような状況を踏まえますと、県税収入全体でも夏場までの経済情勢や企業収益をもとに予測した1,300億円の減収規模をさらに大きく上回るのは確実であり、大変な危機感を持っているところであります。  次に、出先機関の見直しによる組織のスリム化についてお尋ねがございました。  出先機関につきましては、組織の重点化・効率化を図る観点から、行政システム改革基本方針において、数値目標を掲げて見直しに取り組んでおり、平成15年度当初に212あった機関数を、22年度当初には150機関程度まで削減することとしております。  そして、この間、地区農政事務所や商工労働センター等を地域県政総合センターへ集約したほか、相模原市の合併に伴い県北地域県政総合センター等を統合するなど、積極的に出先機関の見直しを進め、平成20年度当初には154機関まで削減してまいりました。  一方、危機的な財政状況に直面している中で、組織のさらなるスリム化による歳出の抑制が求められておりますので、出先機関については削減目標の超過達成はもとより、すべての出先機関を対象に中期的な視点から、改めてあり方を見直す検討作業を進めております。  出先機関の見直しを検討する基本的な方針としましては、各地域の課題に効果的・効率的に取り組むため、五つの地域政策圏を基準に同一の地域政策圏内に複数設置されている行政機関の所管区域を見直し、できる限り集約化するとともに、機能の高度化を図ってまいります。また、公の施設につきましては、民間事業者のノウハウを活用して、サービスの向上と経費の節減を図る観点から、引き続き指定管理者制度の導入を進めるとともに、県有施設として設置する必要性を検証し、譲渡や廃止についても検討してまいります。  こうした出先機関の見直しに当たっては、地域の特性や県民の利便性などを考慮しながら、再編統合や廃止などを検討しておりますが、危機的な財政状況を乗り越えるためには、これまで以上に踏み込んだ厳しい見直しを早期に行っていく必要があると考えています。  次に、「神奈川県緊急経済対策連絡協議会」の今後の活用についてのお尋ねをいただきました。  昨今の厳しい経済状況の中、県として効果的な緊急経済対策を推進するためには、景気動向や雇用状況、さらには民間設備投資の動向、中小企業の経営状況など、幅広く県内経済の実態について把握し、分析することが重要であります。  そこで、地域の行政機関、金融機関、産業界、労働界等の方々にお集まりいただき、それぞれの立場からご意見、ご提案をいただく場として神奈川県緊急経済対策連絡協議会を設置したところであります。  11月6日に開催した第1回の協議会では、まず、すべての出席者の方々に県内の経済状況について共通認識を持っていただくため、日本銀行横浜支店長から最近の金融情勢について、また国の機関からは、緊急経済対策の内容や県内の雇用状況について説明をいただきました。  特に、意見交換の場では、中小企業団体から、バブル崩壊のころとは違い、金融機関にも体力があるので、ある程度リスクを負っても資金面で支援していただけることを期待している。また、労働団体からは、働く場の確保や失業率の改善を強く要請するといったご意見を初め、それぞれの出席者から、各団体が置かれている厳しい現状について、直接生の声を寄せていただいたところであります。  現在、県は厳しい財政状況に直面しておりますが、こうした中でも、効果的な経済対策を推進するためには、これまで以上に事業を厳選し、選択と集中によって、県として、よりきめ細かな対応を図っていく必要があります。  そこで、官民一体で構成する協議会のメリットを十分に活用し、国や労働界、産業界との連携による雇用対策や金融機関、産業界との連携による金融の円滑化に向けた方策を協議するなど、オール神奈川のチーム力によって、この厳しい経済状況にしっかりと対応をしてまいります。  次に、本県が制定しようとしています「自治基本条例」が地方分権改革と道州制への取り組みに与える影響についてのお尋ねをいただきました。  現在進められている第2期地方分権改革は、国から地方へ権限や財源を移譲し、地方の自立を図るという、いわゆる団体自治の確立に向けた改革であることは周知のとおりであります。しかし、真の地方分権型社会の実現に向けては、この団体自治とともに、住民の意思と責任によって自主的に自治体運営を行っていく住民自治の確立が欠かすことのできない課題とされています。  本県の自治基本条例は、こうしたことを踏まえ、住民自治の拡充を目的とした県政運営の基本ルールを定めようとするものでありますので、まさに真の地方分権型社会の実現に確実に結びつくものと考えております。  次に、道州制への取り組みに対する影響についてであります。  道州制の導入は、小さな中央政府と自立した地方政府という新しい国づくりを展望して、国の権限や財源を道州や市町村へ大幅に移譲し、地域の実情や実態に即した行政運営を可能とするための構造改革であると認識しています。しかし、道州は現行の都道府県よりも広いエリアを所管区域とするため、住民との関係が薄くなるとの懸念もございます。こうしたことから、道州におきましても、住民の意思をその行政運営にいかに反映させるのかといった点が大変重要であり、住民自治を基本に据えた自治の基本ルールは必ずや求められてくるものと考えられます。  したがいまして、その際には広域自治体としては初めてとなる本県の自治基本条例は、道州における住民自治を具体化する場合の一つの貴重なモデルケースとして活用される条例になるものと考えております。  次に、仮称でございますが、「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」の素案をどのような観点からまとめようとしているのかとのお尋ねをいただきました。  9月に公表した条例の骨子案に対しては、3,800件を超えるパブリックコメントをいただくとともに、事業者や市町村への意見照会、飲食店、宿泊施設に対する調査などにより、きめ細かく意見把握に努め、さらに議会においてもさまざまなご議論をいただきました。  いただいたご意見からは、受動喫煙による健康影響を防止するという目的はおおむねご理解いただいたところですが、規制の影響を受けやすい小規模施設への対応や具体的な規制内容などが残された課題であると受けとめております。  まず、小規模な施設については、物理的に分煙の選択は困難で、経営への影響が懸念される一方で、施設の規模が小さいほど受動喫煙の健康影響をより強く受けやすいという点を考慮する必要があります。こうしたことから、一定面積以下の小規模な飲食店については、直ちに一律の規制を行うのではなく、時間をかけて、利用者、施設管理者双方の理解を得ながら規制を導入するなど、激変緩和措置についても検討しているところでございます。  また、禁煙か分煙かを選択できる第2種施設の定義や分煙の具体的な方法、喫煙区域と非喫煙区域の割合、さらには中小事業者に対するサポートの仕組み等を明確にお示ししていく必要があります。そこで、これまでいただいた課題を論点として整理するとともに、これらを条例素案に盛り込み、さらには分煙方法の基本的な考え方についても取りまとめております。  素案の策定に当たっては、受動喫煙の防止に関する社会的なルールをつくり、健康増進法による取り組みをさらに前進させ、受動喫煙の健康影響から県民を守るという大原則が揺らぐことがないよう必要な検討を進め、早急に取りまとめてお示ししてまいります。  昨日は、日本の禁煙対策の調査に来られましたWHOのたばこ対策担当部長と意見交換をし、受動喫煙防止条例制定に向けた本県の取り組みを高く評価いただいたところです。県議会の皆様にもぜひご理解とご協力をお願いいたします。  次に、食の安全・安心に関する条例において、規制措置を盛り込むねらいについてのお尋ねをいただきました。  県民が日々の食生活を安心して送るためには、何より食品の安全性が確保されていなければなりません。そのため、県では農林水産物の生産段階から食品の製造、流通、販売といった各段階において、食品の安全性にかかわる法令に基づき、生産者や食品製造事業者等に対する立入検査等を行い、必要に応じて改善指導や食品の販売禁止を命令するなどの措置を講じております。  しかしながら、最近ではこうした法令のみでは対応が困難な事例が見受けられます。例えば、異物混入による食品の自主回収の場合にあっても、すべてが公表されるわけではなく、消費者が気づかずに飲食する可能性があり、現状では自主回収を行っていることを県が把握する制度もないため、消費者への情報提供や製造業者への適切な回収方法の指導も行えない状況にあります。  また、輸入食品については、海外の生産現場において安全の確保が図られ、それを国内の輸入者が確認することが重要ですが、輸入にかかわる事業所を把握する制度がないため、輸入者の安全確保への取り組みについて指導することが困難な状況にあります。  そこで、食の安全・安心に対する条例においては、こうした法令で定められていない自主回収の報告制度や輸入食品の事業所の届け出制度を盛り込むことによって、消費者への迅速な情報提供や県独自のきめ細かな対応を可能とし、より一層食品の安全性の確保を図っていくことをねらいとしております。  こうした規制措置については、条例検討委員会での議論を踏まえ、県民からご意見をいただくとともに、議会でも十分にご審議いただきながら、実効性ある条例となるよう、今後ともしっかり検討を進めてまいります。  次に、食品の安全性を確保するための検査の強化についてのお尋ねがございました。  食品の検査については、消費者が判別できない有害な化学物質や病原性微生物を含む食品を排除するために欠かすことのできないものであり、食の安全・安心を確保するためには必要な取り組みの一つであると認識しています。  そのため、県では食品衛生監視員が県内に流通している食品について、定期または随時の抜き取り検査を行い、食品衛生法の違反が発見された場合には速やかに回収を命令するなど、適切な措置を講じているところであります。このような抜き取り検査については、対象食品をふやすことにより、安全性の確保が図られますが、その一方で対象食品をふやしていくことには、おのずと限界があることも事実であります。  そこで、検査を効率的・効果的に実施するため、食品衛生監視指導計画を毎年度策定し、県民の関心が高い食品中の残留農薬や食肉に残留する動物用医薬品について重点的に検査を実施しております。  こうした取り組みにあわせて、平成20年度から食品衛生に関する一元的な専門監視指導体制を構築したことによって、県所管域の大規模な食品製造施設に対する指導を強化するとともに、集中的かつ広域的な検査を可能としたところでございます。  また、食品の安全性の確保は、まず食品製造業者が適切な製造管理を行うことが最も重要であることから、計画に基づく監視指導を通じて自主的な検査の実施を指導し、さらなる食品の安全性の確保に努めております。  今後もこのような取り組みを着実に実施していくとともに、現在検討中の食の安全・安心に関する条例においても、検査等の必要な措置を盛り込み、食の安全・安心に対する県民の期待にこたえてまいります。  次に、全国植樹祭についてのお尋ねがございました。  まず、全国植樹祭の開催に向けての機運を全県的に盛り上げていくための取り組みについてであります。  会場がある水源地域の森林は、県民にとってかけがえのない財産であり、このことを多くの県民の皆さんに理解していただくためにも、全国植樹祭は全県的な取り組みとしていくことが大切であると認識しています。  そこで、既に県内各地で木を植える、育てる、活用するといった活動を体験していただく森のリレーフェスタを実施しており、今後も各地をリレー方式で回りながら、多くの県民の皆さんに参加していただこうと考えております。また、大会のシンボルマークやポスター原画が決まりましたので、今後はこれらを活用し、多くの人々が集まるイベントにキャラバン隊を派遣するなど、全国植樹祭のPR活動を一層強化してまいります。  次に、開催を契機とした森林再生の取り組みの継続についてでございます。  森林を将来にわたって健全に守り育てていくことは大変重要な仕事であります。このため、県では「かながわ森林再生50年構想」により、森林の抜本的な再生に向けたさまざまな施策に取り組んでいるところであります。本県で開催する全国植樹祭は、このことを県民の皆さんに理解していただくためのきっかけにしたいと考えております。  そこで、県では、NPO等によるボランティア活動への支援を拡大するとともに、市町村とも連携して、植樹や育樹などの機会をできるだけ多く用意し、県民の皆さんに参加体験していただくことで、大会終了後も森林再生の取り組みに継続してかかわっていただけるよう努めてまいります。  こうした取り組みを通じて、県民との協働による森林再生のさらなる発展につなげてまいりたいと考えています。  次に、「神奈川県犯罪被害者等支援条例」に基づく支援の実効性の確保についてお尋ねをいただきました。  本条例案の策定に当たりましては、これまで犯罪被害者の方々を初め、有識者や県民の皆さんから日常生活上の支障や精神的な被害など、深刻な問題に苦しまれている犯罪被害者の方々への支援の充実を求めるご意見を多数いただきました。  このようなご意見を踏まえ、条例では県として取り組んでいく支援施策の基本的な方向性を位置づけ、こうした条例の規定に基づき、施策の一層の充実を図り、犯罪被害者に対する総合的な支援を着実に推進してまいりたいと考えています。そして、支援施策の総合的、計画的な推進を図り、条例に基づく犯罪被害者支援の実効性を確保していくため、条例に「犯罪被害者等支援推進計画」の策定を盛り込んだところであります。また、計画の策定や変更に当たっては、広く県民の皆さんや犯罪被害者の方々からのご意見をいただきながら進めてまいります。  さらに、今後、県として支援施策を実施していく際に、その実施状況などについて公表し、犯罪被害者を初め、多くの方々からご意見をいただき、改善に役立てていく仕組みを計画の中で担保してまいりたいと考えております。  また、犯罪被害者の方々への支援はこうした行政の取り組みとともに、地域社会全体で犯罪被害者を支えていくことが何よりも重要です。犯罪被害者支援をより実効性のあるものとしていくため、広く県民の皆さんに犯罪被害者の置かれた状況や支援の必要性について理解を深めていただくとともに、身近な支援の取り組みを広げ、犯罪被害者を支える地域社会づくりを進めてまいります。  次に、総合的支援体制の構築についてのお尋ねがありました。  犯罪被害者の方々が必要とされる支援は多種多様でありますが、どのような支援がどこに行けば受けられるのか、大変わかりにくいという現状がございます。また、支援を受けるためにさまざまな機関に出向き、つらい被害体験を何度も話さなくてはならないといった状況の中で、適切な支援を受けることをためらってしまう方も多いと聞いております。  こうした状況を踏まえ、精神的にも肉体的にも大きなダメージを負っている被害者の方々にとって、必要とする情報や多岐にわたる支援をスムーズに受けることができる体制づくりが非常に重要であると認識しています。  犯罪被害者支援については、警察が被害直後の初期的支援を、また、県は日常生活回復のための中長期的な支援を、そして民間支援団体は行政では対応できない柔軟できめ細かい支援を担っているところであります。そして、犯罪被害者の置かれた状況や時間の経過とともに、さまざまに変化する支援のニーズに的確に対応するためには、県、警察、民間支援団体の緊密な連携が不可欠であります。  そこで、支援の中核を担うこの3者が一体となって、お互いの専門性やノウハウを共有しながら、被害直後から中長期的な日常生活の回復に至るまで、被害者の立場に立った支援を迅速かつ効果的に行っていく体制を早急に整備してまいります。  こうした取り組みは、全国的にも例のないものであり、犯罪被害者の方々が安心して、そして信頼して支援を受けていただける神奈川らしい犯罪被害者支援の体制づくりに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、公益法人制度改革に伴う法人の移行手続についてのお尋ねがありました。  公益法人制度改革の主眼は、公益法人などの民間非営利部門が社会に果たす役割が増していることを踏まえ、その適切な活動や健全な発展を促進することにより、社会を活力あるものにしていくことにあると受けとめています。  したがいまして、新制度への移行に際しては、法人みずからがその将来を見通し、公益目的事業を初めとする新たな事業展開や組織体制の見直しを十分に検討した上で、その法人に適した形態を選択することが何よりも重要であると考えています。そのため、県といたしましては、公益認定の手続等に関する情報提供に引き続き努めるとともに、法人からの相談に丁寧に対応することによって、個々の法人が新制度への移行を十分検討できるようご支援してまいります。  また、申請に基づき、公益性の判断を行う「神奈川県公益認定等審議会」の運営をしっかりと支え、法人の移行手続が円滑に行われるよう着実に取り組んでまいります。  次に、県主導第三セクターの新制度移行に向けた対応でありますが、今回の公益法人制度改革は県主導第三セクターにとっても、社会情勢の変化に即した事業の見直しや組織・執行体制の合理化について、改めて検討する絶好の機会ととらえております。  したがいまして、県主導第三セクターが新制度への移行手続を早期に進めることは、法人の経営改善を加速化する観点からも大変有意義であると考えておりますので、速やかに移行作業に着手し、率先して手続を行うよう働きかけてまいります。  次に、県職員の法人役員への就任の見直しについてのお尋ねをいただきました。  県職員の法人役員への就任につきましては、これまでは第三セクターを初めとする法人の事業と県の施策との連携が図られているか、県が財政的支援を行っている事業が効果的・効率的に推進されているかといった視点からチェックするために、必要と認められる場合に就任する取り扱いとしておりました。  しかしながら、議員のお話にありましたように、今回の公益法人制度改革により、社団法人・財団法人の役員は、法人の執行機関としての位置づけと責任が明確化されましたので、これまでのように事業の執行をチェックするという目的で役員に就任することは制度の趣旨にそぐわないことになります。また、第三セクターにつきましては、法人の独立性を高め、法人みずからの創意工夫が生かされるよう県のかかわりを見直すこととしておりますので、そうした視点からも、県職員の法人役員への就任を見直していく必要があります。  そこで、今後は、国や地方公共団体が構成員となっている法人などを除き、県職員の法人役員への就任は、原則として、すべて廃止することとし、こうした考え方を見直し方針として定め、庁内に通知したところでございます。個々の役員就任の見直しにつきましては、他の法人役員や出資団体等の理解を得る必要があるため、今すぐに一律に廃止することはできませんので、来年3月以降の役員改選時期に合わせて、適時見直しを進めてまいります。  最後に、財団法人かながわ廃棄物処理事業団の経営問題についてのお尋ねがありました。  かながわ廃棄物処理事業団は、本県の廃棄物の適正処理を推進するため、県と横浜市、川崎市が中心となって設立されましたが、平成19年度の包括外部監査の指摘も踏まえ、事業団は経営改善計画案を8月の理事会に提出したところであります。  この計画案では、リサイクルの進展、近隣への大型民間施設の進出等、事業団を取り巻く環境の変化を踏まえ、搬入量を確保するための収集運搬業者との連携や横浜市南本牧最終処分場等の利用による処分委託費の削減など、収入支出の両面から経営健全化を図るものとしています。  この計画の実効性の確保のためには、何より事業団みずからの積極的かつ真摯な取り組みが求められており、事業団においては、競争入札導入による運転委託費の削減や人件費の削減などに着手するとともに、積極的な営業活動の展開や県産業廃棄物協会との連携強化などに取り組んでいるところであります。加えて、県や2市による支援や県産業廃棄物協会などの関係団体の協力も不可欠であり、県としてもできる限りの支援を行っていきたいと考えています。  次に、事業団のあり方についてでございますが、昨今の金融危機に伴う厳しい社会経済情勢の中で、事業団の経営改善の取組状況はもとより、予定されている大規模な中間処理施設の操業の影響や県内における産業廃棄物の処理の状況などを、絶えずしっかり確認していく必要があると考えています。また、こうした中で、事業団の公共的な役割も踏まえながら、そのあり方について関係者とも相談してまいりたいと考えております。  私からの答弁は以上でございます。〔警察本部長(田端智明)発言の許可を求む〕 ○副議長(川上賢治) 田端警察本部長。 ◎警察本部長(田端智明) 安藤議員ご質問の全国植樹祭に関する県や地元自治体との連携を含めた県警察の取り組みについて、お答えいたします。  全国植樹祭は、過去当県で開催されました国民体育大会や全国豊かな海づくり大会とともに、天皇皇后両陛下がご臨席する、いわゆる皇室3大行事の一つでありまして、このような全県的に取り組む重要な国民的行事に際して、行事の安全かつ円滑な運営を確保するため、県警察としては、総力を挙げて警備の万全を期すこととしております。もとより、警備は本年のアフリカ開発会議やサミット警備の経験を踏まえても明らかでありますが、警察だけでなし得るものではなく、関係自治体や県民の皆様のご協力が不可欠なものでございます。  お尋ねの県や地元自治体との連携についてでありますが、本年1月に県知事を会長とする「第61回全国植樹祭神奈川県実行委員会」が設立され、県警察も委員会メンバーとして行事の企画・運営に参画しているところであります。また、県警察では早い段階から県の関係部署と連絡体制を構築しているところですが、今後は秦野市や南足柄市などの地元自治体や関係団体との連絡体制を構築し、相互が緊密な連携を図りながら、会場周辺のパトロール、参加者等の整理・誘導等の警備対策、また、会場周辺の駐車スペースの確保や渋滞緩和のための交通対策を推進してまいります。  さらには、県民の皆様に対して行事日程や警備諸対策、交通規制への協力など、必要な情報提供や要請を広報紙、ホームページなどにより広範に行うなど、地元自治体、団体、そして県民の皆様と共同して、これらの対策を推進してまいりたいと考えております。  次に、全国植樹祭に対する県警察の取り組みについてでありますが、既に警察本部に本県警備を担当するプロジェクトチームを設けており、これまでに開催した主な県の警備状況等の調査研究、県関係機関との連絡調整や関連情報の収集といった必要な準備業務を開始しております。さらに、来春には専従の体制を構築して、鋭意諸対策を推進してまいりたいと考えております。  具体的な警備計画については、今後決定されていく行事日程や天皇皇后両陛下のご日程などを踏まえ、周到綿密な検討を重ねてまいりますが、いずれにしましても、警戒警備は式典当日の天皇皇后両陛下の警衛や要人警護のみならず、会場周辺の前段警戒や検問、施設や山林等の検索、周辺道路の交通規制、あるいは雑踏警備など、県民の安全・安心と県民生活への影響に配意しつつ、万全の対策を講じてまいりたいと考えております。  また、これらの警備諸対策を推進していく中で、今後、地元自治体、関係機関や地元住民の方々に対して、警戒のための施設への立ち入り、警察の宿所や待機拠点の設営、あるいは車両の駐車場所の供与など、るるお願いすることになると思いますが、関係機関・団体や地元住民の方々などとの連携を緊密に図りながら、諸対策を推進してまいりたいと考えておりますので、ご協力のほどよろしくお願いを申し上げます。  以上でございます。〔安藤 慶議員発言の許可を求む〕 ○副議長(川上賢治) 安藤 慶君。 ◆安藤慶議員 自席での発言をお許しいただきたいと思います。  知事並びに警察本部長におかれましては、明快なるご答弁をいただきまして、ありがとうございます。  幾つかご指摘を申し上げたいと思っております。  まず、「食の安全・安心推進条例」に関してでございますけれども、確かに、今回、規制措置を設けて条例の実効性を上げていこうということでございますが、内容は自主回収の報告義務制度や輸入業者の届け出制度といった規制になっております。印象としては、受けというか、待ちの規制であって、県民の皆さんが本当に、今、食に持っている不安というものを払拭していくためには、2番目の質問で申し上げたとおりに、やはり検査の、特に抜き取り検査等の充実を図っていく必要があるのではないかというふうに考えておりますので、ぜひご検討をいただきたいというふうに思います。  もう一点は、財団法人かながわ廃棄物処理事業団の問題でございます。  今、事業団のほうから提出されております経営改善計画の中で、その算定の基礎となっている処分量の3万8,000トンというのは、近年でも割と廃棄物が集まったときの処理量であります。そうしたものをこれから確保していくということを計画の前提にされておりますけれども、先ほど来議論になっておりますように、関連施設が近年オープンするといった環境を踏まえますと、非常に計画案としてはどうなのかなといった印象はぬぐえません。しっかりとその計画が進展していくものなのか、管理していっていただきたいと思いますし、さらに申し上げたとおり、環境の変化が大きいときには、事業団のあり方についてもしっかりと議論していく必要があるということを申し上げて、残りの問題につきましては、各常任委員会等で対応してまいりたいと思います。  これで私の質問を終わります。 ○副議長(川上賢治) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(川上賢治) ご異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は15分後といたします。                  午後4時27分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-平成20年12定-20081204-026511-質問・答弁-赤井かずのり議員-代表質問①経済対策について②がん対策について③介護人材の確保について④消費者の視点に立った施策について⑤震災に強いまちづくりについて⑥環境問題について》                   午後4時49分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 議長共73名 ○議長(榎本与助) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(榎本与助) 質問を続行いたします。  赤井かずのり君。〔赤井かずのり議員登壇〕(拍手) ◆赤井かずのり議員 議長のお許しをいただきましたので、私は公明党県議団を代表して、通告に従い順次質問をいたします。  知事におかれましては、明快なご答弁をお願いいたします。また、先輩並びに同僚議員におかれましては、しばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願いいたします。  質問の第1は、経済対策についてであります。  まず初めに、中小企業への貸し渋り対策についてお伺いいたします。  米国発の金融危機が世界的な景気悪化を引き起こしており、金融危機の影響は、業種を問わず、規模を問わず、あらゆる分野の企業を直撃しています。企業の現場は、受注減や原材料等の高騰などによる資金繰りの悪化に、文字どおり悲鳴を上げています。我が党はこの現場の悲鳴を聞き、迅速に対策を打つべく、力を尽くし、中小企業の資金繰りを支援する新たな緊急保証制度をスタートさせました。対象業種はこの春の185業種から、10月には545業種、さらに11月には618業種と業種を拡大し、保証・貸し付け枠もセーフティーネット貸し付けと合わせ、9兆円から30兆円に拡大しました。この緊急保証制度は、現場の中小企業からも大歓迎されております。  一方、厳しい経済情勢は、雇用情勢にも影響を及ぼし始めています。景気低迷で採用内定を取り消された来春卒業予定の学生は、全国で331人にも上ることが厚生労働省の調査で判明しました。このままでは、北海道拓殖銀行や山一証券が破綻した97年度末の922人を超える可能性もあるとのことであり、県として早急に具体的に手を打つべきであります。また、12月1日発表の10月分毎月勤労統計調査では、実質賃金が前年同月比2.2%の減と、賃金水準も低下してきております。  金融にせよ、雇用にせよ、経済情勢が厳しくなってくると、真っ先に影響を受けるのが、我が国経済の屋台骨である中小企業であります。中小企業が元気でなければ、経済の活性化はあり得ません。前回97年の金融危機の際も、中小企業への貸し渋り、貸しはがしが横行し、我が国経済は長い不況のトンネルに入っていったのであります。中小企業が資金繰りに行き詰まり、年末を越えられないということも懸念される今、中小企業への貸し渋りがないかどうか、現状をしっかりと把握し、適切な対策をいつでも打てるようにしておくことが何よりも大切であります。  そこで、知事にお伺いします。  現在の経済情勢における中小企業への貸し渋り、貸しはがしなど、中小企業を取り巻く金融情勢をどのように認識されているのか、また、継続的に中小企業への貸し渋り、貸しはがしなどの状況を的確に把握することが何より大切と考えますが、どのように状況把握を行われようとしているのか、知事のご所見をお伺いいたします。  次に、中小建設業者への支援についてお伺いします。  中小企業の資金繰りを支援する新たな緊急保証制度の対象となる業種のうち、大きな部分を占める建設関連業種は、経済情勢の影響を大きく受けやすい業種であります。特に、大手ゼネコンなどは、国内が不況でも、海外の建設工事を受注することにより、経済情勢悪化の影響を軽減することができますが、中小建設業者はそうはいきません。本県でも、これまでも分離・分割発注や、上半期8割という目標を掲げた公共工事の前倒し発注、今回の議案にも上がっている物価スライド条項の適用、さらには地域建設業経営強化融資制度の導入など、中小建設業者に配慮したさまざまな取り組みを行っているのは承知しております。しかし、これらの取り組みが効果を上げているか、その検証こそが重要であり、その効果が不十分であれば、例えば、分離・分割発注をさらに細分化し、より広く県内業者に発注するなど、さらなる対策を考えなければならないのは申し上げるまでもないことであります。  そこで、知事にお伺いいたします。  分離・分割発注や、上半期8割と目標を設定した公共工事の前倒し発注など、これまでの対策についてどう評価されているのでしょうか、また、それを踏まえて、今後どのように取り組んでいこうとしておられるのか、知事のご所見をお伺いします。また、経済情勢が厳しくなると、いわゆる下請いじめなども懸念されるところですが、下請取引に係る対策についてどのように取り組まれているのか、あわせてお伺いいたします。  次に、生活者支援対策についてお伺いいたします。  現在の景気悪化は、収入が伸び悩む一方で、物価は上昇するという中で進んでおり、日本がこれまで経験したことのない事態です。本県でも、知事が提案説明で述べられましたように、収入が落ち、困ったときには国からの補てんが必要となります。景気悪化の影響により、所得も減り、困っている中低所得者や、職につけない障害者、生活保護世帯、母子家庭など、いわゆる社会的弱者の方に対する支援が必要であることは申し上げるまでもありません。今こそ、生活者の目線に立った支援が必要とされているのです。  ところが、今こそ必要とされているはずの生活者支援対策について、本県の緊急経済対策の中では何ら触れられておりません。このような事態を受け、我が党は景気悪化の影響を強く受ける中低所得者層への恩恵が手厚くなる定額減税の実施を主張し、自民・公明両党協議の結果、与党合意のもと、新たな経済対策の中に定額給付金という形で盛り込んだのです。  この定額給付金について、知事は、景気対策の効果は少ないと見ている。一時的にお金を配るのは愚民化政策そのもの、ばらまき自体に反対と発言をされております。政策については、さまざまな批判や意見はつきものであります。2兆円の定額給付金もその経済効果については、GDPは0.1%しか上がらない、いや、0.4%は押し上げるだろうと、シンクタンクによって評価はまちまちです。2兆円は確かに大金ですが、その程度のお金で景気が上向きに転じれば苦労はないわけで、経済政策というよりは、社会政策ととらえるべきではないかと私としては思います。  知事の発言の中で、これは聞き捨てならないと私が思ったのは、「ばらまき」と「愚民化政策」という言葉であります。私が承知しているばらまきというのは、いわゆる族議員等の働きによって、公のお金が特定の産業層等に振り向けられることであり、新たな不公平や利権の発生といった弊害を伴います。現在のように、さまざまな人々がそれぞれに困っている状況下では、なるべく広く均一に支援することが、新たな不公平や利権も生まず、的を外さないという点からも適切であり、これにはばらまきという言葉は、本来は当てはまらないと考えます。  もう一つの愚民化政策は、宗主国が植民地の先住民を無力化するために行った政策として知られています。知事は、定額給付金のような政策は国民を愚かにするという意味で、この言葉をお使いになったようです。お金を配ってというか、税金を戻すだけなのですが、そういうことで国民を喜ばせるのは愚民をつくることだと。しかし、知事のこの考え方は、このようなお金を受け取って喜ぶのは愚かな人々と言っているのと同じです。これこそ国民を見下した言い方ではないでしょうか。  知事のご出身でもある松下政経塾の創立者である松下幸之助氏は「誠意や真心から出た言葉や行動はそれ自体とうとく、相手の心を打つものです」と述べられています。行政として一番大事なことは、マスコミ受けする刺激的な言葉をもてあそぶことではなく、県民に向かって、何かほっとする、安心だと思ってもらえる政策を行うことであるはずです。かつてない厳しい経済情勢の中で最も苦しんでいる中低所得者層の方たちに、政治が何も手を打たないことの方が無慈悲で、国民の生活感に鈍感と言わざるを得ません。  また、知事は、今回の件について、地方自治体の長の皆さんもいろいろと文句は言っている。ただ、反対だから撤回しろと言う人はなかなかいないと発言されています。生活者を支援し、社会的弱者の方をフォローする第一線にいる市町村の皆さんは、文句はあるにせよ、定額給付金の支給事務を円滑に進めるため、準備に汗を流しているのです。本県も、まずは生活者を守るべき自治体として、国や市町村と一体となって取り組むべきではないでしょうか。  そこで、知事にお伺いいたします。  今回の定額給付金について、市町村が定額給付金を円滑かつ速やかに支給するため、県としても支援を行うべきと考えますが、市町村への支援についてどうお考えか、知事のご所見をお伺いいたします。  質問の第2は、がん対策についてであります。  昨年亡くなったZARDの坂井泉水さんの命を奪ったことで知られる子宮頸がんは、子宮の入り口にできるがんで、がんの中で唯一、予防方法が明らかになっているがんです。にもかかわらず、日本では年間1万人前後の女性が子宮頸がんを発症し、約2,500人が亡くなっています。30代から40代の子宮頸がんによる死亡率は、がんの死亡率の上位3番以内に入っており、最近では20から30歳代の若い女性にも急増しています。  子宮頸がんの原因の99%は、今年、ノーベル医学・生理学賞を受賞したドイツがん研究センターのハラルド・ハウゼン名誉教授が発見したHPV、ヒト・パピローマウイルスというウイルスであるということが明らかになっています。このウイルスはありふれたもので、性体験のある人の多くが一度は感染すると言われています。このうち9割の方は2年以内にHPVが消失しますが、消失しない場合、がんに進行する可能性があります。  このように、ほとんどの女性に罹患の可能性があるのですが、先ほども申し上げたように、子宮頸がんは、がんの中で唯一、原因が明確であり、がんになる前に発見が可能で、未然に防ぐことが十分に可能ながんです。この子宮頸がんの早期発見には定期的な検診が有効であり、検診を受ければ、子宮頸がんはほぼ100%予防できるのです。  ところが、日本では、検診を受ける女性が圧倒的に少ないのが現実です。07年10月に発表されたOECDの調査によれば、04年の日本の子宮頸がんの検診率は約23%で、アメリカの82%、イギリスの69%、韓国の40%などに比べ、はるかに低い検診率となっています。このような事態に、近年、市町村、民間団体、国がさまざまな取り組みを展開するようになっています。私が住む平塚市では、これまでも2年に1回の検診に対し助成を行っていましたが、検診を受けさえすれば予防できるこのがんの検診に対し、19年度から、二十歳以上の女性の毎年検診を実施対象とすることにしました。  また、日本の女性が検診を受けない理由には、面倒くさい、恥ずかしいということがあるとも言われております。ならば、自宅でできる方法をと、NPO法人が中心となり、2005年から、群馬県健康づくり財団や順天堂浦安病院などにおいて、郵送で検査できるシステムを実施するようにもなり、三重県や沖縄県の病院などにも同様の動きが広がっております。  さらに、HPVウイルスはワクチンでほぼ100%予防できるとされています。予防ワクチンは、2006年6月にアメリカ、メキシコで承認されたのを初め、現在では80カ国以上で承認。オーストラリアでは、12歳以上の女性全員がワクチンの接種を受けています。安全性が高いと言われており、多くの国でも審査中です。  これについて、我が党の浜四津敏子代表代行は、子宮頸がん対策に関して、昨年10月の参議院予算委員会で、検診受診率の向上と、日本ではまだ承認されていない感染予防ワクチンの早期承認を求めました。これに対し、舛添要一厚生労働大臣は、子宮頸がん検診の受診率が現在18.9%にとどまることを明らかにし、受診率を50%以上に引き上げる決意を表明。また、平均して4年かかる我が国での新薬の承認を5年以内にアメリカ並みの1.5年に縮めたいと述べ、子宮頸がんの感染予防ワクチンについても早期承認に全力を挙げる方針を明言しました。これらの背景があって、ワクチンの承認は早ければ年内にも実現すると伝えられています。  このように、国、都道府県、市町村、民間で子宮頸がんに対するさまざまな取り組みが高まりを見せる中、「がんへの挑戦・10か年戦略」を掲げ、先進的にがん対策に取り組もうとしている本県が、他のがんと異なり、唯一確実な予防方法が明らかであり、貴重な人命を多数救えるということが明らかな子宮頸がんに対して、早急に手を打ち、取り組んでいくべきであります。  そこで、知事にお伺いいたします。  子宮頸がんは早期に発見して治療すれば完治するということを、ほとんどの方が知らないということが、子宮頸がんの検診率が上がらない原因です。こういったことや、郵送で検査を受け付けている機関があるということを周知するだけでも、子宮頸がんの予防に随分効果があるはずです。こういった広報への取り組みを初め、市町村の認知度の格差解消、正確な情報の提供、教育、啓発、モチベーションを高めるための取り組みなどを積極的に行うべきであると考えますが、今後、子宮頸がんの予防等について、どのように取り組んでいかれるおつもりなのか、知事のご所見をお伺いいたします。  質問の第3は、介護人材の確保についてであります。  まず、若い世代における介護人材の確保についてお伺いいたします。  超高齢社会に突入した我が国では、介護サービスの需要が増大し、介護従事者数は介護保険制度がスタートした2000年の約55万人から06年には約117万人と約2倍に増加し、14年には140から160万人への増加が必要とされています。介護サービスへのニーズにこたえていくためには、介護従事者の確保・定着・育成を図ることが必要不可欠ですが、現実は確保すら難しい状況にあります。  介護労働安定センターの06年度調査によると、事業所の6割超がホームヘルパーの不足を訴え、施設で働く介護員についても、45.2%が不足であると答えています。不足の主な要因である報酬の低さについては、政府・与党が10月30日に決定した新たな経済対策に、我が党が強く求めてきた介護従事者の待遇改善が盛り込まれ、介護従事者の給与は月2万円程度のアップが見込まれることとなり、一定の改善が期待されるところであります。  このように、介護従事者の確保・定着にとって重要な処遇の改善が図られる一方で、介護従事者の育成については、年々非常に厳しい状況となっています。県内の社会福祉系専修学校の定員は、06年度1,220人、08年度1,240人とふえているにもかかわらず、在籍生徒数は990人から623人と大幅に減少し、定員に対する充足率は50.2%と、半数程度となっています。学校によっては、学年定員40人に対し在籍生徒数はわずか3人という例まであるのです。卒業後に就職する介護の現場に、きつい、厳しい、汚いといったイメージが広がり、安い給料では割が合わないと高校生らが敬遠しています。中学生までは、職場体験などで老人ホーム等の現場を経験し、介護分野に興味を抱く生徒も多いそうですが、高校生になり、進路指導を受けるころになると、先ほど申し上げたような理由で敬遠してしまうようになるのです。  現在、介護の仕事についている方への介護労働安定センターの就業意識調査でも、現在の仕事の満足度について、「仕事の内容・やりがい」が55.5%と満足度が最も高いという結果が出ています。介護という仕事は、人を守る、非常に重要な仕事なのであります。その誇り、プライドをもって介護職の皆さんは働かれております。この介護の仕事のやりがい、介護は人を守る非常に大事な仕事なのだということを、県立高校における進路指導などとも連携し、県としても高校生にもっとアピールするなど、若い世代の介護人材の確保を図っていくべきであります。  日本栄養改善学会賞を受賞した介護老人福祉施設を運営する社会福祉法人小田原福祉会の時田純理事長は、「アメリカのことわざに、人間には2本の手がある。1本は自分のためのものだ、もう一本は人のためにあるという言葉がある。私はこれが社会福祉の原点だと考えています」と語られています。福祉の仕事は相手を思いやる気持ちを原点とした崇高な、そして大切な仕事であります。このことを一人でもより多くの方に知ってもらい、人材を確保していくことが重要ではないかと考えるところであります。  そこで、知事にお伺いします。  全国平均に比べ、急速に高齢化が進んでいる本県にとって、介護人材の育成は非常に重要であります。特に、県内の社会福祉系専修学校の定員割れの現状は目を覆うものがあり、本県としても若者の介護離れに歯どめをかける必要がありますが、若い世代における介護人材の確保について、県立高校との連携という点も含め、本県としてどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、知事のご所見をお伺いいたします。  次に、他の職業につかれていた中途離職者の方を介護従事者として確保するための方策についてお伺いいたします。  介護労働安定センターの調査結果から見ると、介護従事者の方のうち約56%が介護以外の仕事から介護の仕事に転職された方であります。このように介護従事者の大半を占める中途離職者の方を介護従事者として確保するための方策も重要であります。介護施設などで働くために、介護福祉士やホームヘルパーなどの資格はあるほうが望ましいのはもちろんですが、実は、介護施設で働いている方の多数を占める介護職には、現在、資格は不要です。このことを知っていただくだけでも、介護の仕事への就職希望者はふえるのではないかと思います。  例えば、本県でも、社会福祉協議会への委託により、かながわ福祉人材センターを設置し、あっせんを行っております。しかし、このセンターのホームページの「就職活動に必要な取得されている資格や職種の希望を記入」という記載を見ると、資格が必要と勘違いしてしまい、介護の道に進むことをあきらめてしまう方もいるのではないでしょうか。  また、資格が不要とは言っても、介護に関する資格もない未経験者の方が、介護の仕事につくのは不安なものです。このような不安を取り除くためにも、介護未経験の方に対するガイダンスや簡単な研修を実施することが有効ではないかと考えます。研修を実施することにより、初めて介護の仕事につく人の不安を取り除くとともに、未経験者でも即戦力として働ける質の高いサービスの提供と人材確保を図ることもできます。  研修を実施する際、昼にアルバイトをしているような方のためにも、夜間や休日に実施するなどの工夫を行えば、より介護の世界に進もうとする人材のすそ野を広げることができるのではないでしょうか。  先ほど申し上げたように、介護の仕事にやりがいを感じる方、福祉の原点である、相手を思いやる気持ちを持つ方は多いのです。このような方たちの水先案内人となるような支援を行い、介護のすそ野を広げていく取り組みが必要なのではないでしょうか。  そこで、知事にお伺いします。  現在、介護の世界を支えている方の大半を占めるフリーターを含めた中途離職者の方に、より一層、介護という人を守る重要な仕事に関心を持ち、再就職先として選んでいただくためにも、県としても、現在、介護に関係のない仕事についている方、中途離職者の方たちに対するガイダンスや簡単な研修など、何らかの支援を行っていくべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。  質問の第4は、消費者の視点に立った施策についてであります。  まず、消費者行政についてお伺いします。  子供はこんにゃくゼリーをのどに詰まらせて亡くなりました。大人にはよくても子供には危険、わかっていながらいまだに売られている。なぜ規制できないのか。業者ではなく、被害者の立場に立った行政をと訴えたお母さん。あのガス湯沸かし器事件の被害者の母親も、「息子の死の前に何件もの同様の事故が起き、メーカーも行政も知っていたのに放置した。早急に手が打たれていればと思うと悔しい。二度と悲劇を繰り返さない仕組みを望みます」と訴えました。  いずれも消費者庁設置を求める市民集会での叫びであります。なぜ、こんなことになったのでしょうか。理由はあります。被害者はどこへ行っていいか立ち往生し、泣き寝入りしています。対応すべき行政の側は地方と中央、各省庁間と、それぞれ縦割りの中で情報も共有できずに後手後手に回ってきました。さらに、これまで特に国は消費者より産業育成の観点が強かったのであります。  我が党はどの政党より早く、生活者の政治を訴え、特に生活者主役、消費者本位の行政へ大転換することに取り組んでまいりました。その組織の中核となるのが消費者庁構想であります。国がようやく消費者行政の強化を図ろうとする一方で、本県の消費者行政を見ると、全国で最も大幅な予算の削減が行われ、著しい後退が生じています。  知事は、9月定例会の答弁で、平成10年度から、市町村における相談窓口の設置を財政的に支援することにより、相談体制の充実を図ってきた。これにより、県と市町村を合わせた窓口数は平成9年度に比べ1.7倍になったと述べられています。しかしながら、県予算を見れば、平成20年度の消費者行政予算は平成10年度の約20%と、大幅に後退していることは明らかです。  市町村についても格差があります。先日、消費者のための新行政組織と地方消費者行政を考えるシンポジウムが開催されましたが、その資料によると、人口が同程度の市町村であっても、相談件数は、相談員の配置人数や週何回窓口が開いているか、何時まで相談を受け付けているかによって左右されている現実が如実にあらわれています。県の支援を必要とすることなく、独自の事業を展開し、活発に消費者施策を推進している市がある一方、まだまだ消費者行政そのものの位置づけすら十分できていない自治体もあります。  加えて、県の体制にも問題があります。相談窓口を毎日開設していない市町村の住民の方々の相談は、かながわ中央消費生活センターが受けることが県の市町村支援の一つとされていますが、7カ所の県センターが廃止されて以降ずっと、朝から電話をかけているのに電話がつながらないという声が市町村窓口に届くのが現状であります。  相談員一人が十分に聞き取りし、処理できる件数は1日にせいぜい五、六件です。相談員が精いっぱい対応しても、電話がつながらず、埋もれている相談が数多くあるのです。公的機関に寄せられる相談は4ないし5%と言われています。いわば氷山の一角であります。この4、5%の相談ですら受け切れないような体制のもと、重大な被害や高額な被害が埋もれてしまったことも考えられ、相談を受けられないことで失われている県民の財産は莫大なものになるでしょう。県にとって、県民、消費者こそがお客様であるはずです。相談体制の不備により県民の貴重な財産が失われていく、このような現状を果たして放置しておいてよいのでしょうか。  そこで、知事にお伺いします。  現在、国が消費者行政の強化に取り組もうとしており、仮称ではありますが、都道府県に消費者行政活性化基金を創設する予定と聞いております。これをうまく活用しつつ、県として、県自体を含めた県内の消費生活相談の開設日数、時間、相談人員数などの地域間格差解消を図るとともに、消費生活相談窓口の存在をPRし、利用を促進することによって、消費者被害を最小限に食いとめ、県民の貴重な財産、ひいては県の財産の消失を防ぐべきではないかと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。  次に、農産物の安全・安心の確保についてお伺いします。  最近、フードマイレージ、バーチャルウオーターという言葉を耳にする機会がふえてまいりました。フードマイレージとは食料の輸送距離という意味であり、フードマイレージが大きい、すなわち食品の生産地と消費地が遠ければ、地球環境に大きな負荷をかけることになりますが、日本のフードマイレージは総量でも世界中で群を抜いて大きく、国民一人当たりでも1位となっています。  また、農産物の生産や製品の製造、輸出入を行うことは、その際に必要となる水、仮想水を購入者が間接的に消費したことになります。これをバーチャルウオーターと呼んでいます。日本は年間800億立方メートルと、日本の年間水道使用量の約8倍に相当する外国のバーチャルウオーターを使っていることになります。  いずれの問題についても、食品は生産地と消費地が近いことが望ましい、いわゆる地産地消の推進につながっていく問題であります。一方で、地産地消の推進に当たっては、生産物の安全の確保が重要であり、この生産物の安全確保のため、最近、GAP、農業生産物工程管理の手法が注目されています。  GAPとは、農産物の生産から出荷に至るすべての農作業の工程で、農家自身が安全性等をチェック・管理する手法のことです。平成18年夏にアメリカの20州以上で腸管出血性大腸菌O-157による食中毒が発生し、数千人が感染、高齢者、幼児計3人が亡くなりました。カリフォルニア産のホウレンソウが感染源で、生産から出荷に至る段階での衛生管理面などの不適切な取り扱いと、生で食する習慣が災いし、被害が拡大しました。このようなケースは、生産現場における安全意識と、出荷物を衛生的に取り扱うなど、生産工程の適切な管理が徹底していれば防ぐことができた危害です。  GAPに取り組むことで、このような危害の発生をあらかじめ予測し、適切に管理して未然に防ぐことができます。食品であり、商品である農産物の安全性と品質を確保する手段としてGAPの重要性と有効性が改めて認識され、その取り組みが全世界に広がっています。  既にヨーロッパには食品事業者などの団体である欧州小売業協会によって、統一化・共通化されたグローバルGAPがあります。この協会に加盟する食品小売業者と取引をするときには、グローバルGAPの認証取得が契約の必須事項となっています。日本の生産者がEUに農産物を輸出するときにも認証取得が必須となるため、既に認証を取得している生産者もいるそうです。隣国の中国でも、チャイナGAPをグローバルGAPの基準に合わせる取り組みが行われております。日本でも、国が平成17年4月、食品安全のためのGAP策定・普及マニュアルと、同年11月には入門GAPを公表し、都道府県における推進体制を整備、さらに、昨年3月には、米、麦、露地野菜など7品目について生産者用と産地用の基礎GAPを作成するなど、GAPの普及・推進に力を入れてきております。  しかし、関東農政局が農業者を対象に行った調査によれば、「食品GAPを知っている」と回答したのは、回答者540人のうち4分の1にとどまっています。チャイナGAPを認証取得した中国からの農産物の安全性がEUと同等だということになると、日本の農産物の安全性は何を担保にしているのかが、改めて問われることになるのではないでしょうか。  このような状況の中で、埼玉県では、平成15年に国と連携し、トマト産地において現地実証を行いました。この実証結果を踏まえ、「埼玉県安全安心農産物生産ガイドライン」を策定し、埼玉方式GAPの普及に努めているとのことであります。「食の安全・安心推進条例」の制定準備を始めている本県としても、GAPの普及・推進に力を入れていくべきではないかと考えます。  そこで、知事にお伺いします。  最近、食の安全を揺るがすような事件が相次いで起きており、本県でも10月に「食品安全緊急110番」を立ち上げたところでもあります。このような機会である今こそ、農業者も新鮮でおいしく、健康や環境にもいい県産農産物の安全性をより強固なものとするために、県としてGAPを推進すべきと考えますが、この点につきまして、知事のご所見をお伺いいたします。  質問の第5は、震災に強いまちづくりについてであります。  まず、緊急輸送路の安全確保についてお伺いします。  緊急輸送路は、大規模な災害が起きた場合、救急・救助を初め、物資の供給、諸施設の復旧等広範囲な応急復旧対策活動を実施するため、「神奈川県地域防災計画」において位置づけられている国道や県道などですが、大規模地震により、ブロック塀の倒壊、看板の落下・転倒及び自動販売機の転倒や、歩道が損傷したりした場合、通行人の死傷事故や消防車・救急車などの緊急車両の通行阻害の原因となる可能性があります。  埼玉県では、地震に対する緊急輸送路の安全性を確保するため、「埼玉県震災予防のまちづくり条例」に基づき、県管理の緊急輸送路沿道のブロック塀、看板及び自動販売機並びに歩道の安全点検を実施しております。点検の結果、地震に対する安全性が確保されていないと認められたときは、所有者などに対し危険性をお知らせし、改善を依頼、また、必要な助言などを行っているとのことであります。  緊急輸送路は、災害時に緊急物資を滞りなく被災地に輸送するだけでなく、避難路や、場合によっては被災者が帰宅するために利用することも想定されることを考えると、本県においても、ぜひこのような取り組みが必要ではないかと考えるところであります。また、点検の実施にあわせ、緊急輸送路沿道の構築物についてのデータベース化を進めれば、より詳細な地震被害の想定、ひいてはより実効性のある防災計画の策定などにも役立つのではないでしょうか。  そこで、知事にお伺いします。  緊急輸送路は、被災時の応急計画、復興計画の物流のかなめであります。また、避難路などとしての機能を確保するためにも、緊急輸送路沿道の構築物などについて、現状を把握し、データを収集することも兼ねて、安全点検を行うべきではないかと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。  次に、下水道の耐震化・長寿命化対策についてお伺いします。  下水道は、安全、環境、暮らしに係る多様な役割を有する基盤的な社会資本であり、大規模地震により多くの人が避難所に避難した場合、避難所から下水処理場までの管路の耐震性能向上は、多くの方がトイレを使う避難所での生活にとって必要不可欠であります。また、先ほど質問した緊急輸送路や避難路に埋設してある管路が被災し、道路が陥没し通行不能にならないような対策を講じることも重要であります。さらに、下水道施設は大部分が地下に築造されるため、一たん被害が発生すると、その復旧が長期間に及ぶことも懸念されるのであります。これだけ大規模地震が各地で頻発しているにもかかわらず、現状では、各自治体における対策が余り進んでいないと言われております。  このような中、国においては、平成16年の新潟県中越地震の発生を受け、地震対策の検討委員会を立ち上げております。平成17年に取りまとめられた報告書では、処理場と重要な防災拠点をつなぐ下水管の機能確保、緊急輸送路の埋設管路の被災による重大な交通障害の防止、また、下水道管のネットワーク化による耐震性の向上を図ることなど、耐震対策の基本的考え方が整理されています。  阪神・淡路大震災や新潟県中越地震では、流域下水道のように下水道管が太く、比較的深い位置に埋設されている箇所では被害が少なかったとのことでありますが、下水道は地域住民の生活、健康、安全に直結した最重要のライフラインであります。本県でも、相模川流域下水道において、左岸・右岸のネットワーク化を図ることによりシステムの信頼性を高めるため、寒川平塚幹線を計画に位置づけたことは承知しておりますが、下水処理施設や下水道管自体の耐震性の向上に一層努めていくべきであります。  一方、下水道の問題は地震による被害だけではありません。処理場では、耐用年数を迎え老朽化した設備が故障することにより、一時的にでも機能がとまるといった大きな影響が発生することが懸念されますし、また、東京では戦前に建設された下水道管の老朽化による道路陥没も発生しており、今後10年もたつと高度成長期以降に整備した大量の下水道管が老朽化し、同様の問題を引き起こすことが懸念されております。この下水道管の老朽化についても、計画的に取り組まなければ、老朽化により修繕すべき下水道管の数が爆発的にふえることが懸念されます。  従来は、路面を掘削する敷設がえ工法が一般的でしたが、現在は耐震性もあり、コストも安く、路面を開削せずに下水道管の内側を塩化ビニール製の部材などで補強することにより既設管を更生する手法もあります。  今年度、建設から維持管理や修繕までの費用の合計であるライフサイクルコストを最小化する目的で国が創設した下水道長寿命化支援制度を利用し、これから本県でも計画的に長寿命化を図っていくとのことでありますが、修繕の需要が飛躍的に高まるこの先を見据え、処理場の設備の一部分を取りかえる部分的な更新や、下水道管の更生手法も視野に入れながら、ぜひ計画的に修繕を進めていくべきであります。  そこで、知事にお伺いします。  下水道は、大規模地震発生時に被災民の生活を支える重要なライフラインであり、被害が発生すれば、公衆衛生に重大な影響を及ぼすばかりでなく、下水道管に被害が発生した場合には、緊急輸送路の陥没など、震災後の物流にも被害が波及することも想定されます。  一方、事業の進展に伴い、下水道施設のストックも増大していることから、老朽化に対しても計画的に取り組むべきと考えます。そこで、本県の流域下水道における下水処理施設や下水道管の耐震化、長寿命化対策の現状と、今後これらにどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、知事のご所見をお伺いいたします。  質問の第6は、環境問題についてであります。  まず、地球温暖化対策についてお伺いします。  「クールネッサンス宣言」のリーディングプロジェクトの中には、「太陽光発電普及拡大プロジェクト」や、「電気自動車普及推進プロジェクト」など、多額の財政負担が伴うのではないかと思われるプロジェクトが含まれております。電気自動車の普及推進では、国の補助金の半額を上乗せして補助、さらに自動車税と自動車取得税の90%を減額するとのことであり、太陽光発電についても、国や市町村の補助とは別に、県単独での補助を想定されているとのことであります。地球温暖化対策は非常に大切でありますし、先進的な取り組みも推進すべきであります。税収が非常に厳しい状況となり、財政環境が悪化している今、あえて太陽光発電やEVに取り組んでいくのですから、最少の費用で最大の効果をもたらすような手法をとるべきであります。  具体には、県が太陽光発電や電気自動車普及のための費用を満遍なく負担することは到底不可能でありますから、太陽光発電や電気自動車のアピールにこそ、県として力を入れていくべきであると考えております。  例えば、太陽光発電は、せっかく発電した電池をためておけないということが大きな課題となっています。この余剰電力の蓄電問題を、電気自動車のバッテリーを利用することで解決できないかという研究が民間で進められていますが、県がそのモデル実験をし、太陽光発電の有効活用をアピールすることを考えてはいかがでしょうか。  また、今年度、県有施設への太陽光発電の設置を進めていますが、今後、県有施設に太陽光発電を設置するのであれば、屋上ではなく、PRのため、地上に据え置きをしたほうが県民の目につきやすく、PR効果も高いはずです。屋上設置に比べ、耐荷重の心配もありません。さらに、例えば、将来、環境共生モデル都市を目指すツインシティにおいて、こうした地球温暖化対策のための取り組みについて、重点的に導入を進めることも効果的ではないかと考えられるところであります。  そこで、知事にお伺いします。  厳しい財政状況にもかかわらず、太陽光発電や電気自動車などの地球温暖化対策に取り組んでいくのであれば、アピールを重視していくべきであると考えますが、この点につきまして、知事のご所見をお伺いいたします。  次に、レアメタル、希少金属のリサイクルについてお伺いいたします。  携帯電話や音楽再生機などの小型家電に含まれている貴重な金属の総量は、世界有数の貴金属鉱山の埋蔵量に匹敵すると言われ、都市鉱山と言われております。しかし、各製品に含まれるレアメタルは、微量、多種類であり、その再資源化を図るためには、大量の使用済み小型家電を効率よく回収できるシステムの構築が必要であります。携帯電話1台からは0.03グラム程度の金が回収できるとされています。金の鉱石1トンから採取される金は1グラム程度。仮に携帯電話1トン分から金を回収すれば約400グラムに達する計算となり、資源の少ない日本にとって都市鉱山はまさに宝の山になり得るとの見方もあります。  液晶パネル、カメラ、振動モーターなどにもインジウム、ニッケル、ネオジムといったレアメタル10種類以上が使われており、これらの金属も液晶テレビやパソコンのハードディスクなどに再利用できるのです。しかし、携帯電話の回収台数は2000年度の1,361万台をピークに減少、07年度にはその半分、出荷台数の1割強にとどまっています。携帯各社は直営店や一部量販店などに回収箱を置き、電話機や電池、充電器の自主回収を行っているものの、回収は進んでいないのが現状です。  この問題について、公明党青年委員会は携帯電話の回収リサイクルの推進に関する署名運動に取り組み、9月に47万人の署名を二階経済産業大臣、斉藤環境大臣に提出いたしました。国も、携帯電話の回収リサイクルの取組強化に乗り出しています。経済産業省、環境省両省は、12月2日に「使用済小型家電からのレアメタルの回収及び適正処理に関する研究会」の初会合を開き、利用者が使用済み機器を持ち込んだ場合、通信事業者に回収やリサイクルを義務づける方向の検討を始めたところであります。  また、今年度も経済産業省は、現状回収できていないインジウム、タングステン等の回収に係る技術開発をするための補正予算1億円、環境省も携帯電話など小型デジタル家電に使用されているリチウムやインジウムといったレアメタルのリサイクルを拡大するためのモデル事業を実施するための補正予算7,500万円を計上しました。都道府県レベルでも、東京都が本年3月に希少金属等含有製品回収促進協議会を創設し、また、10月、11月には都内20カ所に回収箱を設置し、回収実験を行うとともに、携帯電話等のリサイクルについて意識調査を行うモデル事業を行っております。総務省の研究会でも、出席者から、古い電話機を返せば新しい電話機が値引きされるなど、利用者に訴える動機づけが必要など、通信各社の協力を求める意見が相次いだとのことであります。  環境の観点から、リサイクルを推進する本県としても、このレアメタル回収について積極的に推進を図るべきではないでしょうか。  そこで、知事にお伺いします。  レアメタルの回収は、資源国における環境問題の解決や、もったいない精神からの資源の有効利用、ひいては我が国における資源確保にも有益であります。リサイクル推進の観点からも、県民への呼びかけや、都が設置したような協議会の設置など、民間企業への働きかけに本県として積極的に取り組んでいくべきであると考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。  以上で、私の第1回目の質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。〔拍 手〕〔知事(松沢成文)発言の許可を求む〕 ○議長(榎本与助) 松沢知事。〔知事(松沢成文)登壇〕 ◎知事(松沢成文) 赤井議員のご質問に順次お答えいたします。  初めに、現在の経済情勢における中小企業を取り巻く金融情勢の認識と、その状況把握の方法についてというお尋ねがありました。  まず、中小企業を取り巻く金融情勢の認識でございますが、サブプライムローン問題を発端とした米国発の金融危機は世界的な広がりを見せており、各国の実体経済に大きな影響を与えています。これにより、世界的な金融不安や景気の悪化、さらには株安が金融機関の資産価値を減少させ、その結果、金融機関の貸出姿勢を消極的にしています。こうした中、本県でも中小企業の経営は一段と厳しくなってきており、資金繰りが悪化している企業もあると認識しています。  このような状況を踏まえて、「神奈川県緊急経済対策本部」を打ち上げ、中小企業支援対策として、制度融資の対象業種を185から618まで拡大するとともに、貸出要件の緩和などを行ってきたところでございます。  次に、状況把握の方法ですが、金融機関の貸出姿勢については、定期的に中小企業に対する実態調査を実施しており、今年の調査では、借入条件が厳しいと回答した中小企業の割合が前年より増加しております。さらに、10月の緊急経済対策本部の立ち上げの際に実施した中小企業及び金融機関向けのアンケート調査では、金融機関の中小企業向け貸し出しは縮小傾向にあり、小規模事業者については資金調達が必ずしも十分ではないとの結果でございました。こうした調査結果を踏まえて、去る10月24日には金融機関に向けて私から中小企業支援のための緊急アピールをさせていただきました。  また、1年のうち最も資金需要の多い年末を控え、中小企業を取り巻く金融情勢は一層深刻さを増すことが予想されますので、今後も的確な状況把握に努めるとともに、来週には私自身が直接県内金融業界のトップにお会いして、中小企業の金融円滑化の要請を行いたいと考えております。  次に、中小建設業者への支援についてのお尋ねがありました。  これまで、県内中小建設業者に対する支援策として、建設資材の高騰に対応した設計単価の見直し、単品スライド条項の適用、分離・分割発注の実施、公共工事における発注の前倒しの四つの取り組みを、原油・原材料等高騰対策に位置づけ実施してまいりました。  設計単価の毎月の改定と単品スライド条項の適用をあわせて行ったことで、中小建設業者の皆様に対しまして、原油・原材料等の高騰による負担の軽減が図られたと考えております。また、工事発注に当たり、当初の予定件数から約70件を分離・分割して発注するとともに、上半期の発注率8割を目標に前倒し発注を行い、中小建設業者の受注機会や早期受注の確保に寄与したところであり、これらの取り組みについては関係業界からも大変好評をいただいております。  今後の取り組みでございますが、11月に取りまとめた緊急経済対策には地域建設業経営強化融資制度の開始を位置づけたところであります。この融資制度は出来高が2分の1以上の工事に対し、未完成部分まで融資を可能とする制度でございまして、この制度の活用により、中小建設業者の資金繰りの円滑化及び経営の安定化が図られるものと考えております。また、専決処分させていただきました10月補正予算に係る公共工事につきましても、年内におおむね4割を目標に早期発注に努めてまいります。  次に、下請取引にかかわる対策については、毎年、資金需要の増大が予想される年末に建設業者の皆様に法令を遵守し、下請契約や下請代金の支払いを適正に行うよう通知し、指導しております。また、特に本年は県内下請事業者の多くが厳しい経営状況にあることから、10月に中小企業支援のための知事緊急アピールを発し、下請取引の一層の適正化に特段の配慮をするよう親事業者に向けて要請したところであります。  今後とも、国の動向を注視しながら、情報収集に努め、中小建設業者の状況やニーズをしっかり把握した上で、本県独自に対応できる施策や国へ提案していくべき事項について必要な対策を講じてまいります。  次に、定額給付金に係る市町村への支援についてお尋ねがございました。  定額給付金は議員のご指摘にもありましたように、政策目的が景気対策なのか、生活弱者対策なのか不明確であるということが、まず第1の問題だと思います。また、地域振興券の例もあるように、政策効果として景気の刺激に直結するかどうか疑問もございます。さらには、不況のたびに金銭給付を繰り返してしまえば、国民の自立心、独立心がはぐくまれず、依存心ばかりが増して、さらには政府が独善化してしまい、モラルハザードを招き、政策理念としても問題があるというふうに考えております。そうした理由から、私自身、率直に大きな疑問を感じているところであります。仮にも2兆円という巨額の公費を使うのであれば、小・中・高等学校の耐震化や特別養護老人ホームや保育園の整備、さらには産科・小児科医療の充実など、景気対策とともに将来にわたる国民の不安の解消にもつながる政策こそが、今こそ求められているのだと思います。  このように定額給付金に対しては大きな疑問を私は抱いておりますが、一方で実際に事業として確定すれば、できるだけ市町村が円滑に事務が行われる必要があることも確かであります。  定額給付金については、現在、国において検討が進められており、去る11月28日に都道府県及び政令市の担当者を対象にした初めての説明会が開催されたところであります。説明会では給付業務は市町村が行い、これに対して国が全額を補助する方式とすることなど、事務の大枠がたたき台として示されたのみで、詳細については、今後、市町村の意見も聞きながら、さらに詰めていきたいとのことでありました。  県といたしましては、国の説明会の内容を迅速に情報提供するため、本日、市町村に対する説明会を開催し、国の検討状況について報告するとともに、制度に対する疑問点等について市町村から意見があれば、これを県で集約し、国に伝えていく旨を説明したところであります。  今後も、国の検討状況を見据えながら、市町村に情報提供していくとともに、過度の事務負担を強いることのない制度とすることや、事務に見合った適切な財政措置を行うことなどについて、県市町村が協調して国に対して意見を述べてまいりたいと考えております。  次に、子宮頸がんの予防等の取り組みについてのお尋ねがありました。  子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルスの持続的な感染が原因であることが明らかになっておりますが、定期的に検診を受けることにより早期発見が可能で、早期治療により十分完治することができるものと認識しています。したがって、子宮頸がんで亡くなる女性を減少させるためには、原因となるウイルスへの感染を防ぐための生活習慣など、予防のための正しい知識を普及するとともに、検診の受診促進を図ることが大変重要であります。  特に、子宮頸がんは20から30歳代の若い女性にふえているため、平成16年度から市町村が実施する検診の対象年齢を20歳まで引き下げましたが、がんや検診が身近なこととは認識されていないため、20歳代の受診者数は他の年代と比較して少ない状況であります。そのため、若い年代を中心として子宮頸がんの正しい知識や検診の重要性について認識し、積極的に受診していただくよう普及啓発を進めており、例えば、成人式などで予防のためのチェックシートを配布したり、幼稚園児の母親向け広報紙による周知等に努めてまいりました。  また、議員お話しのとおり、検診施設などではこのウイルスの検査も実施されているほか、ワクチンの実用化の動きもありますので、今後こうした状況を見守りながら、適切な情報提供を行ってまいりたいと考えております。  さらに、市町村の検診担当者に対する専門医による研修においても、子宮頸がんについての最新の情報や若年層の受診率が低いという課題について問題意識の共有を図っているところであります。  今後とも、市町村や関係団体と連携しながら、こうした取り組みを進め、予防や早期発見・早期治療を実現し、神奈川から子宮頸がんで亡くなられる方を一人でも減らしていけるよう努めてまいります。  次に、若い世代における介護人材の確保について、県立高校との連携という点も含めた取り組みについてのお尋ねであります。  本県では、全国を上回るスピードで高齢化の進行が見込まれ、介護サービスの需要が今後ますます高まる中、若い世代が介護の仕事の魅力や重要性をきちんと理解することは、これからの人材確保に向け大変重要な課題と考えています。特に、将来の進路を考える大切な時期にある高校生に対しては、介護の現場を取り巻く状況や制度改正の動きはもとより、仕事のやりがいや社会的役割を正しく伝えていくことが求められております。  このため、県では、今年度から仕事の魅力、重要性について、わかりやすく紹介する若い人向けのリーフレットを新たに1万部作成し、県内の全高等学校へ配布するほか、かながわ若者就職支援センターの窓口や高校生向けの行事等で活用し、普及啓発に取り組んでいるところであります。  また、新たに県立保健福祉大学や東海大学と連携し、オープンキャンパス期間中に介護の現場で活躍する職員による高校生向けセミナーや進路に関する相談会を開催し、多くの高校生に参加いただきました。さらに、進路指導に携わる先生方にも介護の仕事について十分理解していただくため、県立高校の進路指導担当の先生方を対象に説明会を開催し、仕事の実情や就職後のキャリアアップなどに関する情報提供を行いました。  今後とも、若い世代が介護の仕事をやりがいのある職業として受けとめ、将来の進路として考えていただけるよう、高校生を中心に積極的に働きかけることにより、介護人材確保につなげてまいります。そのためには、県立高校を初めとした教育関係者や福祉施設などにご協力をいただきながら、若い世代によりアピールできる効果的な啓発方法の検討や介護の現場からの情報発信の充実などに取り組んでまいります。  次に、介護に関係ない仕事についている方や中途離職者に対するガイダンス、研修などの支援についてのお尋ねがございました。  今後の超高齢社会に向けて、ますます拡大していく介護ニーズに対応するためには、専門性の高い人材の育成とともに、より多くの方に介護の仕事への関心を持っていただき、サービスの担い手のすそ野を広げることも重要であると考えています。  このため、今年度から設けられた7月下旬の福祉人材確保重点実施期間や、11月11日の介護の日に合わせ、県社会福祉協議会や介護福祉士会などの関係団体と連携し、各種キャンペーンを実施いたしました。このキャンペーンでは「県のたより」などの広報媒体を活用するとともに、仕事のやりがいに関する現場の声や仕事の相談窓口等を紹介するチラシを1万5,000部作成し、福祉・介護に関する仕事の魅力の周知に努めてまいりました。また、介護の日には、だれもが親しみやすいセミナーの開催などとあわせ、介護の仕事が未経験の方でも気軽に参加できるような体験型の研修会も実施しました。  さらに、初めて介護の仕事に関心を持たれた方への就職支援として、かながわ福祉人材センターを中心に介護の現場に関する基礎知識のガイダンスや就職相談会を県内3地区で実施し、他の分野で働いている方が参加しやすいよう土曜日にも開催することといたしました。  今後は、初めて介護に関心を持った方により一層かながわ福祉人材センターを活用していただけるよう、役割や機能を十分周知するとともに、きめ細かい情報提供や相談なども実施してまいります。このような取り組みにより、他の分野からの転職を考える方や中途離職者の方にも介護の仕事に興味を持っていただき、円滑な就職につながるよう福祉施設など関係団体とも十分に連携しながら支援してまいります。  次に、消費生活相談体制の強化についてお尋ねがありました。  本県の消費生活相談については、かつては県を中心に実施していましたが、地方分権の流れも踏まえ、平成10年度から市町村における相談窓口の設置を財政的に支援することにより、身近なところで相談しやすい体制の整備を図ってまいりました。  また、最近、食の安全を揺るがす事件等が多発していることから、本年10月10日に横浜弁護士会の協力も得て、「食品安全緊急110番」をかながわ中央消費生活センターに設置したところであります。  現在、国においては消費者行政の強化が検討されておりますが、今国会に提出されている消費者安全法案でも、市町村は消費者からの相談に応じ、その解決のため事業者とのあっせんを行い、都道府県は広域的な見地を必要とする相談やあっせんを行うこととされております。  また、10月30日に政府・与党で決定した生活対策の中では、消費者政策の抜本的強化のための国の支援として、都道府県に基金を創設し、今後3年程度の間、地方における消費生活相談窓口の強化等に集中的に取り組むことが盛り込まれていますが、それに係る国の第2次補正予算案は通常国会に提出されると言われており、必ずしもまだ明確ではありません。  県としては、これまでも消費生活相談体制について、市町村と連携して充実を図ってきているところですが、今後、国の動きも注視しながら、そのさらなる強化に向けて取り組んでまいります。  具体的には、かながわ中央消費生活センターにおける相談時間の拡充等について検討し、市町村とも十分連絡を密にするとともに、消費生活相談窓口の一層の広報を行うなど、県民の皆さんだれもが利用しやすい窓口となるよう努めてまいります。  次に、GAPの導入についてのお尋ねがありました。  生鮮食品として消費者に届くことの多い農産物につきましては、生産段階で安全を確保することが大変重要であります。農業生産のすべての工程を農業者みずからがチェック・管理することで、農産物の安全を確保するGAPの仕組みは、内外の先行産地に対抗するためにも今や不可欠な取り組みであり、農業経営の改善にもつながる大変有効な手法であると考えています。議員から、グローバルGAPについてのお話がございましたが、本県の農業者にはまだまだ浸透していない状況がございます。  そこで、県としては、まず県内の農業者が取り組みやすく、汎用性の高い基礎GAPを県内の主要な産地に導入することとし、これまで農業技術センター、各地域県政総合センター等が農業者に対し導入を働きかけてまいりました。こうした取り組みにより、三浦半島地域で農協、市町、県機関で構成する農業改良推進協議会がGAP推進専門部会を設置して、大根、キャベツ産地として導入することとし、具体的な検討を開始するなど、各地域で基礎GAPの導入に向けた推進チームが立ち上がりつつあります。  今後は、県といたしまして、普及指導員をGAP指導者として計画的に育成するなど、県の指導体制を強化しながら、主要な産地における取り組みをさらに支援するとともに、その他の産地に対しても啓発に努めるなど、県内の産地への導入を積極的に推進してまいります。  次に、災害に強いまちづくりについて、2点お尋ねがありました。  まず、緊急輸送路の安全確保についてでございます。  緊急輸送路は災害発生時の応急活動に必要な物資を円滑かつ確実に輸送するために不可欠な道路であり、「神奈川県地域防災計画」において現地災害対策本部や物資受け入れ港、あるいはヘリポートを相互に連絡する国道や県道など、合計337路線が位置づけられております。  平成7年の阪神・淡路大震災では、道路沿いの建築物やブロック塀などの構築物が倒壊し、緊急車両の通行や物資の輸送に支障を来したことから、緊急輸送路の機能確保に向けた事前の防災対策は大変重要な課題であると認識しています。  これまで、県では地域防災計画にブロック塀の倒壊防止対策や看板等の落下物の安全対策を位置づけ、その普及啓発に市町村とともに取り組んでまいりました。また、市町村においては、避難路や通学路を中心にブロック塀等の実態調査を実施し、倒壊危険箇所の把握に努めることとしておりまして、一部の市町村では生け垣への転換や危険なブロック塀の改善に対する補助制度を運用しております。  こうした中、県が管理する91路線の緊急輸送路につきましては、沿道の構築物の安全確保に向けて県みずからの取り組みを強化していく必要があると考えています。このため、毎年、県内一斉に職員が歩いて県管理道路の点検を行う施設点検パトロールの機会を活用し、緊急輸送路沿いの構築物の実態を調査してまいります。  そして、災害時の応急活動に影響を与えるおそれのあるものについては、構築物の所有者等に改善を要請するとともに、市町村にも調査の結果を伝え、対策に取り組むよう働きかけたいと考えております。  次に、流域下水道施設の耐震化と長寿命化対策についてのお尋ねをいただきました。  下水道は生活環境の向上に不可欠な社会基盤であり、相模川流域では昭和44年に、また酒匂川流域では昭和48年に事業着手して以来、着実に整備を進め、両流域を合わせた人口普及率は平成19年度末で約90%となっております。これまでに4カ所の下水処理場と総延長172キロメートルに及ぶ下水道管を整備しておりますが、既存施設のストックが増大してきたため、施設の安全性の向上と維持管理費用の縮減の観点から、耐震化や長寿命化対策は重要なことと認識しています。  そこで、県では、下水処理場にあるさまざまな施設のうち、機能が停止すると県民の生活や健康への影響が特に大きい消毒施設について、優先的に耐震化を進めてきたところであり、耐震化が必要と診断された25施設のうち17施設の対策を完了しております。残りの8施設についても、引き続き早期に耐震化を図ってまいります。  一方、下水道管につきましては、阪神・淡路大震災など、過去の大規模地震の事例でも、被害がほとんどなかったと報告されておりますが、最近になり、老朽化の進行が確認されましたので、既存の下水道管を補強し、長寿命化を図る幾つかの工法について施行のしやすさ、経済性などの比較検討を始めたところであります。  そうした中で、今年度、国において長寿命化に向けた計画の策定や対策工事を国庫補助の対象とする支援制度が創設されました。そこで、今後はこの制度を活用して、流域市町のご意見も伺いながら、下水処理施設や下水道管の長寿命化計画を平成21年度までに策定し、対策工事を計画的に進めてまいります。その際、特に緊急輸送路に埋設されている下水道管については、優先的に取り組むなど、地震対策の観点も考慮してまいります。  次に、太陽光発電やEVなどの地球温暖化対策に取り組むには、特にアピールを重視すべきではないかとのお尋ねがありました。  脱温暖化社会の構築のためには、省エネルギーの推進だけでなく、エネルギーの供給と消費の両面で新技術の実用化を図り、効果的に組み合わせていくことが不可欠であります。特に、家庭からのCO2削減に向けて、太陽光発電とEVは大きな効果が期待できますが、これらはまだ価格の面で普及段階に至っていないのが現状であり、補助制度の後押しなどが必要な段階と考えます。  また、これらの普及には、価格面での支援とともに、多くの県民の皆様にこれらの新しい技術を暮らしの中に取り入れた事例を見ていただき、体感していただくことが大変有効であります。  そこで、本県としても、太陽光発電を今年度も生命の星・地球博物館や交番など、8カ所に設置することとしておりますが、その際には人通りのあるところや地上に設置し、発電状況の表示を行うなど、多くの皆様に関心を持っていただくよう意を用いているところであります。  また、EVについても、これまでミニパトカーなどを試験的に導入して、実際に町なかを走るほか、市町村などのさまざまなイベントで県民の皆様に試乗していただき、EVのよさを実感していただけるようPRに努めてまいりました。  今後は、太陽光発電とEVをセットで100%化石燃料に依存しない究極のエコカーとして提案したり、企業や地域におけるすぐれた温暖化対策の取組事例を広く紹介するなど、目に見える形での温暖化対策のPRに努めてまいります。  なお、環境共生モデル都市を目指すツインシティにおきましても、太陽光発電の大規模導入やEVの本格的な普及など、促進に向けた仕組みづくりについて、地元の皆様とともに検討を進めてまいります。  最後に、レアメタルの回収についてのお尋ねをいただきました。  レアメタルは高機能化する家電製品の液晶パネルやプリント基板などに使用されておりますが、パソコンやテレビなどの一部の家電製品を除いて、使用済み製品を回収し、リサイクルする法的な仕組みが確立されておらず、また、レアメタルの抽出技術も十分に開発されていないのが実情であります。このため、白金やパラジウムなどを除いてはほとんどリサイクルされていないのが実態であります。  議員お尋ねの携帯電話については、社団法人電気通信事業者協会が使用済み携帯電話などの自主的な回収に取り組んでおりますが、個人情報漏えいの懸念などから、回収台数が減少しております。このような状況を受けて、東京都や秋田県などにおいては、行政や事業者などが連携して、使用済み携帯電話などの回収率の向上に向けた試験的な取り組みが始まっております。  また、国においては、今年度補正予算により、これら秋田県などの取り組みを支援することとしており、さらに通信事業者に対する回収やリサイクルの義務づけなども検討していると承知しています。  県といたしましても、レアメタルは再資源化の必要性が高いこと、その需要は今後ますます高まる見込みであることから、使用済み携帯電話などの回収は重要であると認識しています。  県では、これまでも「県のたより」やホームページ、あるいは環境イベントなどにおいて、使用済み携帯電話等の回収の必要性や回収への協力などについて周知を図ってまいりました。  今後とも、引き続き、県民の皆様に対し、使用済み携帯電話の回収の必要性を強く呼びかけていくとともに、携帯電話事業者や市町村などと意見交換を行い、円滑な携帯電話の回収に向けた課題の抽出など、国の動きを踏まえた地域としての取り組みを進めてまいりたいと考えております。  答弁は以上でございます。〔赤井かずのり議員発言の許可を求む〕 ○議長(榎本与助) 赤井かずのり君。 ◆赤井かずのり議員 自席からの発言をお許しください。  さまざまな点につきまして、知事からの答弁ありがとうございます。  一番今の喫緊の課題というのは、どうしても緊急経済対策ではないのかなというふうにも思います。そういう意味では、中小企業、それから中小の建設業に対して、さまざま手を打っておられるという、そしてまた、それについての評価というふうな話もございました。ただ、本当にそれが評価という意味では、効果があったのかどうかという点もきちっと見ていくべきではないかと思いますので、今後やはり継続的に、そして定期的にこういう状況については見て、そしてそれの効果があったかどうか、しっかりと検証していっていただきたいなというふうにも思います。  そして、1番目の3問目に私が申し上げました生活者支援ということにつきましては、知事、何回かの記者会見で、先ほど私が質問いたしました、ああいう発言もされております。どうしても私、先ほども申し上げましたように、知事の発言の中にありました愚民化政策とか、あるいはまた愚策とかいうお話がございました。  この定額給付金につきましては、さまざまなご意見がございます。しかし、その中でも、例えば日本商工会議所の岡村会頭なんかは感謝、そして期待という意味で、景気の厳しい状況の中、定額給付金と緊急保証制度は大変ありがたいし、助かっている。商工会議所の会頭です。それから、全国知事会の麻生会長も声明としまして、個人消費を増加させる大変に時宜を得たものというふうにもおっしゃっております。また、日経新聞の世論調査によりますと、63%の方が評価する、あるいはまたそういう評価をする、合わせますと評価をするという形での評論も出ております。  とにかく受ける側としては非常に助かった、こういう非常に厳しい状況の中で、かつてみたいに物価が上がって、そしてまた、今回の場合は物が上がり、そして自分の賃金が上がらないという、大きく開いている中にあって、非常に助かったという庶民の生活者の心が多く出ているわけであります。ともあれ、そういう意味では知事がおっしゃいました愚民化政策とか、そういう意味では国民、県民を見下したような、こういう言葉というのは、これからぜひ気をつけていただきたいなというふうにも思います。  また、その他の質問につきましては、各所管の常任委員会で質疑をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(榎本与助) お諮りいたします。  本日の質問はこの程度で終わり、明5日、引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、ご異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(榎本与助) ご異議がないと認めます。  よって、本日の質問はこれで終わります。   ─────────────────────────────────────── ○議長(榎本与助) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  次回の会議は、明5日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。まことにご苦労さまでした。                  午後6時6分 散会...